■野趣あふれるジビエ料理が堪能できる西アルプス山脈

 モンブランを擁するグライエアルプス山脈やモンテ・ローザ、マッターホルンが連なるペンニーネアルプス山脈を含む西アルプス山脈一帯では、街ではなかなかお目にかかれない独特なジビエ料理を味わうことができる。標高4,000mを超える高い山々が連なる地方だけに、山小屋の料理のメイン食材は猪や鹿、ウサギ、山羊などのジビエ肉かが主流。主食としては、保存が効くトウモロコシの粉を使ったポレンタや米などがある。野生味たっぷりの高山ならではの味覚が楽しめるのが西アルプス山脈だ。

 

●コーンミールを粥状に煮た冬のイタリア定番料理「ポレンタ」

鹿肉の煮込みのポレンタ添え

 山小屋ランチの定番、鹿肉の煮込みのポレンタ添え。野菜やハーブと一緒にじっくり煮込んだ鹿肉は臭みが全くなく、口に入れるとほろほろと溶けるように柔らかい。肉の旨味がたっぷりの肉汁をポレンタに付けて食べる。

 そして、猪肉の煮込みとポレンタも西アルプス山脈一帯の定番メニュー。基本的に、肉の種類が変わるだけで調理法は同じ煮込みが定番。これにポレンタを添えるか、パスタと和えて食べるというメニューになっている。使用される肉は猪(チンギアーレ)、鹿(チェルヴォ)、野うさぎ(レプレ)などが一般的。いずれも肉の臭みは全くなく、柔らかでジューシーな肉の味わいと自然のままのハーブや野菜、ベリー類から抽出される旨味が凝縮されたソースのハーモニーが絶妙で、一度食べると病みつきになる美味しさ。

 

●西アルプスの小さな手作りソーセージ「サルシッチャ」の煮込み

サルシッチャの煮込み

 ウインナーソーセージが主流の東アルプス一帯とは異なり、西アルプスでは小さな手作りソーセージ「サルシッチャ」をトマトソースや豆類と煮込んでポレンタやお米などと一緒に食べるのがポピュラー。山小屋のランチでもジビエ肉の煮込みと同じくらいソーセージの煮込みを食べることが多い。

 

●西アルプス山脈一帯での主食「リゾット」

リゾット

 保存が効くお米も西アルプス山脈一帯で主食として食べられている。街中のレストランと違って凝った食材は使わないものの、サフランや山で取れるネギ、ハーブなどを使ったシンプルなリゾットは目からウロコの美味しさ。リゾット自体がシンプルなので、ジビエ肉の煮込みソースと合わせて食べるのもいい。