スキー・スノーボードと街との親和性が高い札幌。市街地に泊まれば食事の美味しいお店も多く、行きたい場所を好きに選べるだけの数に困らない。悪天候時にガツガツ滑らなくても、街には見どころが多く、遊ぶ選択肢も豊富。滑るなら札幌周辺にある6スキー場を選ぶだけでなく、少し足を延ばせばキロロやニセコといったリゾートもある。札幌は国内最強のスノートリップタウンだ。

■札幌市内のスキー場ガイド【前編】

 札幌のスキー場は街や海、夜景などロケーションも豊富。数日滞在すればいくつもはしごできる。ここからは前編として、3か所のスキー場をそれぞれガイドしよう。

■サッポロテイネ

ハイランドの山頂から海側とは反対側に滑り降りるコースは斜度も緩やかで幅広く、初中級者がクルージングで楽しむのに最適な斜面だ

●世界でも稀なロケーションを堪能しよう

POINT.1 海を見下ろしながら滑れる
POINT.2 パウダースノーを都心で味わう

住所:〒006-0029 札幌市手稲区手稲本町593
標高:トップ 1023m、ベース 340m、標高差:683m
リフト券:6時間券5600円(大人)、3500円(小学生以下)
車:札幌市中心部から約40分
電車・バス:JR手稲駅からJR北海道バス乗車約16分

●市街地や海に向かって滑り降りる爽快感

 市内中心部から15kmほど離れた場所にあるサッポロテイネは、1972年に札幌五輪が開かれた手稲山に広がるスキー場だ。ハイランドゾーンとオリンピアゾーンの2つのエリアに分かれており、標高1000mの手稲山頂に広がるハイランドゾーンは札幌市街や石狩湾を見下ろしながら滑走できる。海に向かって滑るロケーションは国内でも少なく、高度感も相まった景色はココでしか味わえない体験だ。

 ハイランドゾーンの多くのコースは中上級者向けで、アルペン競技のコース「女子大回転」や、圧雪車が入れない急斜面「北かべ」など、全国的に知名度の高いコースが特徴。とはいえ、ビギナーもゴンドラやリフトを使って山頂からの景観を楽しめ、全長6000m近い緩斜面コースが滑れる。

オリンピアゾーン。全体的に緩やかで硬派なハイランドと異なる。聖灯谷ゲレンデから観る街と海の対比が美しい

 オリンピアゾーンはファミリーに適した斜面が多い。平均斜度13度の1枚バーン「白樺サンシャイン」をはじめ、キッズパークやスノーアトラクションも揃い、このエリアを中心に楽しめる。

オリンピアゾーンにあるソリやスノーチューブで遊べるパークエリア。ティラノサウルスやトリケラトプスのすべり台などは迫力満点だ

 パウダーが降り積もるため、市内を中心にスキーヤー、スノーボード愛好者が多く通い詰める。

ジャンプ台が並ぶテレインパーク。本格派パークだから各地から腕自慢が集まるだけに見ていて面白い

●check!  ここにオリンピックがやってきた

 アジアで初めて開かれた冬季オリンピック会場のひとつ。アルペン競技の男女回転と大回転、そしてボブスレー、リュージュ競技が開催された。今でもコース名となっている女子大回転や男女回転をはじめ、写真のような聖火台など、当時の面影を感じる場所が随所に残っている。

サッポロテイネHP:https://sapporo-teine.com/snow/