スキー場のベースにある宿は珍しくない。しかし、リフトやゴンドラで斜面を昇った先、つまりは、“ゲレンデのど真ん中”にある宿は数える程しかない。周囲は360度の雪山の世界。そこでは、特別な夜と朝が待っている。
■広大な蔵王の大自然を体感できる「forest inn SANGORO」(山形県・蔵王温泉スキー場)
●スペシャルな非日常時間を手軽に快適に楽しめる
今シーズンはいつもとは違う、宿泊体験をしてみたい……。そんなことを考えている方がいたら、選択肢のひとつとしてオススメしたいのが、 目の前にコースが広がる“ゲレンデのど真ん中にある宿”だ。
ありそうで実は希少なこのタイプの宿のなかでも、フツーのスキー宿に泊まる感覚で利用できるのが、蔵王温泉スキー場の中腹にある「forest innSANGORO」である。
それは、樹氷と温泉で知られる名門ゲレンデのなかにポツンとある三角屋根が目印の宿。文字通り、森の中の一軒家だ。
中央ロープウェイ鳥兜駅(標高1,387m)、または蔵王スカイケーブル中央高原駅から滑って行くこともできるが、両駅からそれぞれ雪上車での送迎サービスもある。
特筆すべきなのは、ここは山小屋ではなく、セパレートされたベッドルームも大浴場もある、一般的なロッジやペンションと同様の施設を有していること。1975年に誕生し、2012年に現在のオーナーが経営するようになったタイミングで、木のぬくもりが感じられる洗練された内装にリニューアルされた。
1名でゆったり泊まれるルームもあれば、最大11名を収容するグループ向けの部屋も用意。薪ストーブを設えたフロント前スペースや、暖炉のあるレストランホールなど、シャレーのような雰囲気も大きな魅力だ。
しんしんと雪が降る夜は翌朝への期待が高まる。そして、目覚めれば、そこはロープウェイ山頂駅近くである。その状況を想像するだけで、スキー、スノーボードが好きな人なら興奮してくるのではないだろうか?
絶好の環境だけに、ロープウェイ営業前に滑り口まで雪上車やスノーモービルで連れて行ってくれる「ファーストトラック」のサービスもある。誰よりも早くゲレンデに飛び込めるのだ。
そして、コース数24、最長滑走距離10kmのビッグゲレンデを終日滑りつくしたら、夕方には滑って玄関前まで戻ることができる便利さも嬉しい。
当然ながら連泊する人も多く、ウイークリー、マンスリーのプランもある。荷物は宅配便で送ることができるので、快適なロングステイが約束されている。