福島県の会津地方、猪苗代湖、磐梯山を望む眺望の良さとコースバリエーションの豊富さでコアユーザーからファミリー層まで人気の「アルツ磐梯」。そして、山の反対側、雪の量、質ともに北斜面の恩恵を最大限に活かし、コアユーザーに支持されてきた「猫魔スキー場」。

 今シーズンから、この2つのスキー場は新たなリフトでつながることで1つとなり「星野リゾート ネコマ マウンテン」としてオープン。2023年12月22日、南側(旧アルツ磐梯)と北側(旧猫魔スキー場)をつなぐ連結リフト「ニャルツチェア」がついに開通となった。

■1時間 ⇒ 7分に移動時間も短縮!「ニャルツチェア」で北も南も滑り放題

開通式に合わせて連結リフトの名称も発表

  山を挟み、北と南に位置する旧アルツ磐梯と旧猫魔スキー場。これまで、両スキー場の移動には山を回り込むように車で1時間ほどを要していた。せっかくなら2つのスキー場を楽しみたいと思っても、なかなか難しい問題でもあった。

 しかし、この連結リフトがつながることによって、北側と南側の移動時間は7分へと短縮される。1つのスキー場となったことで、33のコースを有するビッグゲレンデが誕生し、それぞれ異なる個性の北側、南側を一度で楽しむことが可能となった。

わずか7分で旧アルツと旧ネコマの移動が可能となった

■構想から14年 ついにアルツとネコマが一つとなる!

静けさのなか、山を越えていくように南エリアへと向かう

 この連結構想は2009年から始まったという。しかし、2011年、東日本大震災に伴う原発事故による来場者の減少、そして近年のコロナ禍など数々の困難を乗り越え、14年の歳月をかけて今年、ついに実現された。 

 2019年からは、北側と南側をつなぐ「徒歩ルート」が開設され、限定的に往来は可能であったが、やはりリフトでつながるという意味は計り知れない大きな意味を持ってくる。

リフトからは磐梯山を一望できる

 北側、南側のどちらからも乗ることができるが、特に北側から南側に向かうルートがおすすめかもしれない。まわりにコースのない雪の積もった静かな山、森の中を進み、南側に近づくにつれて、一気に視界が開けてくる。左手には磐梯山、眼前には猪苗代湖が広がる絶景は圧巻。リフト降り場までは少し下るため、まるで空中散歩のように飛んでいるかのような気分が味わえる。この景色を見るだけでも「ニャルツチェア」リフトに乗る価値があるだろう。

南エリアでは空中散歩のように眼下に広がる絶景を堪能

■会津からAIZUへ!  雪と会津(日本)文化を世界に発信 

ネコマ マウンテンの誕生をいちばん待ち望んでいたのはこのヒトかも!?

 連結リフトの開通式において「ネコマ マウンテン」を運営する星野リゾート代表・星野佳路氏からは「これまで南側では、スキー場上部が滑れる状況でもベースまで雪がつながらないとオープンできないという問題があった。しかし今回のネコマ マウンテンの誕生により、シーズンの序盤から北側はもちろん、標高の高いところで滑ることができるエリアが広がった」と南側が抱えていた問題がクリアされたと説明。

 また、今後について「インバウンドの面でも北海道や長野に負けないスノーリゾートとなった」「鶴ヶ城をはじめ、ラーメンで有名な喜多方。少し足を延ばせば大内宿までと、ネコマ マウンテンのある会津地域には、海外からの訪日客を満足させるだけの日本文化の魅力に溢れたコンテンツが多数ある」「これからはスキー場だけでなく、会津地域の魅力を発信していきたい」という意気込みも語られた。

ネコママウンテンスタッフも待ち望んだ連結リフトの開通

 今や国内外、68の施設を展開する星野リゾート。代表として多忙をきわめる中、年間滑走日数60日を目標に掲げる星野佳路氏は熱心なスキーヤーとしても知られている。

 開通式で見せた笑顔は新規オープンを迎えた事業者としての顔ではなく、おそらく、いちスキーヤーとしての念願が叶った瞬間の顔かもしれない。その思いは多くのスキーヤー、スノーボーダーも同じなはず。今シーズンは北も南も思う存分、楽しもうではないか。

 

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