■ぐるりと一周大絶景の遠見尾根

 リフト最高地点である「地蔵の頭」から雪の斜面を登ると、しばらくして尾根になり、前方にはトレードマークの武田菱が黒く光る五竜岳が見える。まるで白く輝く一本の道が五竜岳を指し示しているかのようだ。

 五竜岳から西へは屏風(びょうぶ)のように八峰キレットが続いて、その先に氷河のカクネ里雪渓が有名な鹿島槍ヶ岳がそびえたつ。

小遠見山からの眺め(鹿島槍ヶ岳、五竜岳)

 一方遠見尾根から北を見ると、後立山連峰の花の名山「白馬岳(しろうまだけ)」を主峰とした白馬三山が見える。「白馬八方尾根」から唐松岳へ向かうルートもよく見える。

小遠見山からの眺め(白馬三山方面)
小遠見山からの眺め(北信五岳方面)

 一方、東側も晴れていて眺望バッチリ。晴女の運を使ってしまったのか、あまりきれいに見えてしまうと逆に心配になってくる。

 百名山の「雨飾山」や、妙高山から飯縄山までの北信五岳(ほくしんごがく)の姿も満喫。標高は北アルプス3,000m前後の山々に比べれば高くないが、秀峰揃いだ。

■下山後のお楽しみも満載

 雪山を眺め、思う存分に美しい景色を撮影したら下山を開始しよう。ゲレンデでスキーを楽しむのもよし、エスカルプラザの食堂や温泉を堪能するのもいいのだが、筆者のおすすめは白馬塩の道温泉「倉下の湯」。熱いかけ流しのお湯が芯まで冷えた体に染み渡る。そして、さっぱりした後には落ち着いた雰囲気の蕎麦酒房「膳」で、地元のおいしい蕎麦や天ぷらを味わおう。

 過酷ではないが「大人の山登り」といったところだろうか。シーズンはじめの山行で縁起良く、大絶景、上質の温泉、おいしい蕎麦の3つの贅沢を楽しんだ山行だった。

 あくまで、今回は晴天であるからこそ楽しめた登山。強風も含め、悪天候などの場合は難易度が極端に増す。装備をきちんと整えて入山し、天気・装備・体調のどれかに不安があれば登山は取りやめよう。

●【筆者が歩いたコース(雪山コースタイム)】

地蔵の頭~(1時間)~小遠見山~(30分)~大遠見山~(20分)~西遠見山
西遠見山~(20分)~大遠見山~(20分)~小遠見山~(30分)~地蔵の頭

●エイブル白馬五竜

【住所】〒399-9211 長野県北安曇郡白馬村神城22184-10
【TEL】0261-75-2101

【URL】http://www.hakubaescal.com/

●白馬塩の道温泉「倉下の湯」

住所 〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城9549-8
TEL 0261-72-7989

【URL】http://www.kurashitanoyu.com/

●蕎麦酒房「膳」

住所 〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城3020-49
TEL 0261-72-3637

【URL】http://zen.artbi.net/

※この記事の情報は2024年1月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。