長野県の「鷲ヶ峰」は、片道1時間で味わえる絶景で知られている。この山は雪の季節でも道は難しくないうえに、のっけから絶景を楽しめる好ルートだ。

 ただし雪深くて積もりやすい山域だけに、あらかじめ雪の降らない季節に歩いておくのがベターではある。または、この山を歩いた経験のある人が同行してくれると心強いだろう。

 じつは以前、夏山の様子も取り上げているので、そちらも併せてチェックしてみてほしい。

【鷲ヶ峰】北アルプスと北八ヶ岳が目の前すぎる!

鷲ヶ峰の登山口。樹木の少ない見晴らしのよい稜線を歩く

 鷲ヶ峰は長野県・霧ヶ峰の一角にある山だ。それだけに北アルプスが想像以上に近い。雪に覆われた真っ白な八島ヶ原湿原を見下ろすこともできるし、美ヶ原や浅間連峰もすぐそこだ。荘厳すぎる360度の雪山展望を、雪山初心者でも存分に味わうことができる。

 八島ヶ原湿原の入口から少し登ったところに登山口がある。グリーンシーズンともなると豊かな植物に覆われているため、登山道が生い茂る草木に隠れて歩きにくい。その点、雪の季節なら木々の葉が落ち、むき出しになった登山道を雪が埋め尽くす。これがかえって歩きやすい。

キラキラと輝く諏訪湖。その向こうの荘厳な雪山が中央アルプス。その右手には木曽御嶽も

 スタートから高度を上げていく度に、南アルプスや木曽御嶽などの山々が存在感を示し始める。八ヶ岳と南アルプスの中間には富士山がそびえ立っているという、なんとも気の利いた配置に嬉々とするだろう。まるで神さまが設計したかのような、本当に美しい山々の配置だ。