いよいよ冬が本番となるわけだが、それと同時に山々は雪に覆われた美しい景色になってくる。北アルプス、南アルプスなど、どれをとっても冬の山容は荘厳で見る者を圧倒させる。富士山も例外ではない。
独立峰として、麓から一気に立ち上がる富士山は唯一無二の山だ。今回はそんな富士山の景色を満喫することができる山を紹介したい。
■都心からのアクセス良好! 御坂山地の最高峰「御坂黒岳」
黒岳(くろだけ)は、山梨県南都留郡富士河口湖町と笛吹市芦川町の境に位置する標高1,793mの山で、日本三百名山に選定されているほか、山梨百名山、甲信越百名山、甲州百山などにも選ばれている。
甲府盆地の南側に連なる御坂山地の最高峰で、黒岳という名の山は周辺だけでも2座、全国各所にもあるため、区別するために「御坂黒岳(みさかくろだけ)」と呼ばれることもある。
今回は、すずらん群生地駐車場から新道峠(しんどうとうげ)を経由し、黒岳を目指すルートを紹介する。
登山口となるすずらん群生地は、都心から中央自動車道・河口湖IC経由で2時間ほどで到着できるアクセスの良さも魅力だ。
■富士山「だけ」が魅力、新道峠を経由し黒岳へ。
駐車場からはすずらん群生地を抜けて、一旦は登山道を歩くが、やがて林道に合流する。すずらんの花は5〜6月にかけて咲き見頃を迎えるが、冬季は道中には特別見どころもなく単調な林道を歩く。
眺望もないので、新道峠までの区間はさっさと歩き切ってしまおう。林道は傾斜も緩やかなのでペースを上げて歩けるはずだ。ただし、林道は車一台が通れるほどなので送迎バスの往来には注意しながら歩いて欲しい。
駐車場から50分ほど歩くと林道は終点となり、そこから5分で新道峠の展望台「FUJIYAMAテラス」に到着する。
送迎バスが運行しているだけあって、新道峠のFUJIYAMAテラスは多くの観光客や、世界遺産を一目見たい外国人で賑わう。
新道峠でも十分に絶景であるが、これではハイキングにもならないので、新道峠から破風山(はふさん)を経由し、黒岳を目指す。