12月も半ばを過ぎ各地で雪が降り始め、スキー場が続々とオープンしている。すでにオープンしたゲレンデも多く、スキー・スノーボードを楽しんでいる人もいるのではないだろうか。白銀の景色を眺めながら風を切って滑走できるスキー・スノーボードは、冬を満喫できるアクティビティ。筆者もスキーが大好きで、一時期はシーズン券を購入して毎週ゲレンデに通っていたほど。
現在も毎シーズン、ゲレンデでスキーを楽しむ一方で、マナー違反や迷惑行為を度々目にし、残念な気持ちになることがある。今回はスキーインストラクター経験のある筆者が、実際に遭遇した迷惑なスキー客の事例と、周囲に迷惑をかけず快適にスキーを楽しむためのポイントについて紹介していこう。
■事例1:板を踏んでリフト待ちの列に割り込み
リフト待ちをしている時、割り込みをされたことがある人は多いのでは。リフト待ちでは列に並んで順番を守って進むべきだが、筆者は何度もグイグイと前の人をかき分けて割り込みをする人に遭遇している。
数年前、筆者がインストラクターとして子どもたち3人を引率していた時、割り込みをしないように指導しながらリフト乗り場に誘導していたら、筆者のスキー板を踏みながら強引に割り込むスキーヤーに遭遇した。子どもたちも板を踏まれてしばし茫然としており、筆者の買ったばかりの新品の板にも傷がついてしまった。
リフト乗り場が混雑していると、板同士がぶつかったり、不意に踏んでしまうことはあるが、その場合はお互いその場で謝罪して気をつけるのが一般的。しかしその時は、迷惑にならないように隊列を組んでリフト待ちをしていた時の出来事で、子どもたちも困惑していた。
注意しようにもどんどん先に行ってしまい、結局リフトに乗ってしまったため、子どもたちに「悪い例」として説明し、絶対に真似しないように注意をしたが、なんとも言えないモヤっとした気持ちが残った。
リフト乗り場では周りの邪魔にならないよう、「人を待つ場合は隊列から外れて端に寄る」「割り込みをせずに順番にリフトに乗る」というのが基本マナー。焦って割り込みをしても時間はそんなに変わらないうえに、周りの人に不快な思いをさせてしまう。快適で楽しいゲレンデを満喫するために割り込みは絶対にNGだ。
■事例2:混雑時にリフトの相乗りをしない
リフト乗り場が混雑している場合、クワッドリフト(4人乗り)は見知らぬスキー・スノーボード客同士が相乗りをすることが多い。ゲレンデによっては混雑時の相乗りをお願いする注意書きもあり、ソロスキーヤー・スノーボーダー専用レーンに並んでいる人たちが空いているリフトに詰めて乗ることが多い。
混雑時に早くリフトに乗りたいのはみんな同じで、効率よくリフトを回すためにほとんどのスキー・スノーボード客は相乗りに協力する。しかしながら、たまにそれを拒否してクワッドリフトにカップル2人だけで乗る、2、3人の子どもだけで乗る場面に遭遇する。知らない人とリフトで過ごすのは気まずいなど、気持ちもわかるが混雑時であればモヤっとするのも事実。
どうしても知人同士でリフトに乗りたい場合は、「ペアリフトやトリプルリフトを利用する」「混雑していない時間帯や時期を狙う」など、個人で対策することが大切だ。
もちろん、リフトが混雑していない場合は無理に相乗りする必要はない。混雑時は心の余裕がなくなりがちなので、自分も周りも快適にスキー・スノーボードが楽しめるように心がけよう。