東京都心から南へ約180㎞、伊豆諸島のほぼ中間の位置に浮かぶ「神津島(こうづしま)」。島の真ん中にそびえ立つ「天上山(てんじょうさん)」は、昔々伊豆の島々をつくるために神が集ったと言われている神聖な山だ。

 標高572mの低山ながら迫力があり、美しい山容を楽しめることから「洋上のアルプス」と呼ばれ、初心者からベテラン登山者までを魅了する。

 山は台形状をしており、山頂部では広大な白砂の風景が広がり、「表砂漠」や「裏砂漠」など、かつての火山活動でつくられた多様な風景が見られる。また、四季折々の花を楽しめることや、登りやすいけれど美しい景色を楽しめる理由から「花の百名山」と「新日本百名山」に選出されている。

 本記事では、筆者が2022年12月に神津島を訪れ天上山を登山した様子と、サイクリングをした感想を写真と共にお伝えする。

■「黒島登山口」から登山開始

黒島登山口まではロードバイクで登ってきた

 お昼すぎのフェリーで隣合う「新島(にいじま)」に渡る予定のため、まだ薄暗い早朝6時前に登山口までやってきた。

 天上山へは「白島登山口」と「黒島登山口」の2通りのアクセス方法があるのだが、今回は宿から近く山頂まで最短ルートで到達できる「黒島登山口」を選択。登山口には公衆トイレがあるので、ここで済ませておくと安心だ。

 神津港近くの宿から登山口までは、島に持ち込んだロードバイクで向かった。約30分の道程で勾配がきつく大変だったが、よいウォーミングアップとなった。

黒島登山口の脇には、貸出し用の杖と登山者ノートの記載台がある

 登山口には杖が用意されているので、足腰に少し不安のある人は利用しよう。杖は白島登山口にも用意され、返却はどちらでも可能だ。

展望も最高の整備された登山道を進んでいく

 山頂部までは整備された登山道を歩いていく。6合目辺りからは背の高い植物はなくなる。振り返ると神津島の南側の景色が広がっていた。

8合目辺りから山頂までは急勾配の岩場を進む

 8合目辺りからは勾配のある急な岩場となっていて滑りやすいので、注意して登ろう。振り返るとかなり登ってきたことがわかる。高低差に少し足がすくむほどだ。