■Mt.乗鞍スノーリゾートの攻略法

 ここでは斎藤悠士流のMt.乗鞍の滑り方を聞いてみた。パウダーの日はどこを狙って、どう滑っているのだろうか。

■フリーライドを楽しむとっておきのルーティン

●朝イチに遅れても間に合うパウダーの滑り方

 宿の業務があるので、朝イチから滑ることはできません。それでも、いい場所はけっこう残っています。午後の仕事が始まるまで中抜けの時間でスキー場へ繰り出します。

 まずは、スキー場下部からのりくら山麓リフトに乗ってハーフパイプ跡地を使ったRでのバンクターンを左右に繰り返してウォーミングアップ。

夢の平クワッドへ向かう緩斜面でもスイッチやバタートリックをしながら遊ぶ

 パイプ下部のアウトで180をして、リフト線下を滑走。起伏をつかってレギュラーに戻して、そのままのスピードで乗鞍ローカルも朝一は必ず狙うテクニカルコースへ。

 斜度があってパウダーが溜まりやすい沢状地形のコースに加えて、リフトからコースが近いので、大きなスプレーを上げれば、リフトからの声援が期待できます。

 ウォーミングアップが終わったら、スキー場の上部にある、自分が勝手に乗鞍のフリーライド道場と呼んでいる「カモシカコース」へ。

スキー場最上部最大斜度28度の「かもしかAコース」

 クリフ、ツリーラン、コブ、圧雪、パウダーラン、起伏のある線下滑走など、いろいろなシチュエーションをリフト一本で楽しめます。ここではジャンプをつなぐラインがいくつも取れるので、何度も滑りながらお気に入りのラインを見つけましょう。

 道場を滑り尽くしたら、帰りは「かもしか迂回コース」〜「かもしかA」〜「兔待ち」〜「鍋つる」〜「ヨーデル」〜「すずらん」を滑り降りながら、ツリーランとサイドヒットを繰り返して滑るのが面白いです。

軽い雪だから雪煙もよく上がる

 ちなみに、一昨季の「ザ・デイ」は1月17日でした。軽い雪が連日しんしんと降り積り、宿の前でも毎日30cmずつ増えていきます。その日はスキー場上部「かもしかコース」や非圧雪の沢状の地形に溜まった新雪、ツリーランの中で腰から胸にかけてパウダーに浸かりながら、軽快に刻んだショートターンは快感でした。

●斎藤悠士が気に入っている2つのルーティン

 1つめは、「かもしかAコース」からスキーヤーズライトに滑っていくと「かもしかB」との間に沢があるのでそこでパウダーターン。沢が終わると右手に夏道の大きなクリフが出てくるので、そこでバックフリップ。滑っていくと「かもしかA」の夏道の起伏があるのでコーク5、迂回コース下部に飛び込むステップアップな地形でスイッチ3。

上部かもしかリフト沿いにあるギャップでバックフリップ

 全てのジャンプがかもしかリフトからまる見えなので、注目されること間違いなしです。

 2つめは、まず「かもしかBコース」と迂回コースの間にある小山にスピードをつけて上ります。

 ここは僕が小さい頃から秘密基地のように思っていた大切な場所。小高い丘なので360度に渡って周りの山が見渡せます。温かい飲み物でも持っていき、板を外して景色をゆっくり楽んでください。存分に満喫した後に、前に見える2本のラインを左に行くとツリーランの中に2段マッシュがあります。

 その後、迂回コースへと合流し、使っていないリフト際へ入っていくと、一般のスキーヤーがほとんど入らない新雪エリアがスキーヤーズライトに見えてきます。ただそこで、ボトムまでパウダーを滑り続けてしまうと、かもしかリフトが少し遠くなるので、リフト側へとトラバースしながら進めば、スムーズに戻りながらパウダーを楽しめます。

 

リフト券:大人1日4800円
住所:長野県松本市安曇4294-3
アクセス:
クルマ⇒長野道「松本IC」より約60分、中部縦貫道「高山IC」より約80分
電車・路線バス⇒松本電鉄上高地線「新島々」バスで約60分

「Mt.乗鞍スノーリゾート」ホームページ

 

【「BRAVO SKI 2023 vol.2」より再編集】