一年が過ぎるのは早いもので、もう師走ですね。年末に向けて多忙な日々を過ごしている人も多いかと思います。一般的な登山やキャンプなどのアウトドアアクティビティはオフシーズン(冬山登山や雪中キャンプを楽しまれる人もいます)。代わって、そろそろウィンタースポーツのシーズンが本格化しようとしている時期ですね。
忙しい時こそ現実逃避に出かけたくなるもの。そんな季節に訪れるとちょうどいい、ややマニアックな場所、“海から一番遠い場所”を紹介したいと思います。実際に行かなくても雑学程度に知っていてもおもしろいかもしれません。
■海から遠い地点は長野県にあった! でもちょっと意外な場所かも
日本は四方を海に囲まれている島国です。海沿いや潮風を感じる場所に住む人も多いでしょう。けれど海岸線から遠く離れた内陸部も案外奥深いものです。では、海から一番遠い場所(都道府県)はどこでしょうか? なんとなく、北海道か長野県ではないかと思った人は鋭い! 国土地理院の地図によると1位は長野県、2位は北海道だそうです。
いわゆる“海なし県”の長野県は、南北に長く、日本アルプスに代表されるような標高の高い峰々が聳える山岳県でもあります。きっとその山の中にあるのだろう。到達するのは容易ではなく、しかもこの時期にはすでに雪山となっているだろう(もしくは街中にある可能性もありましたね)。そう思ったのですが、意外なことにその場所は、長野県佐久市田口字榊山209-1だということでした。長野県東部(県民は東信地方と呼びます)にある佐久市の端っこです。一番近い海岸まで115kmほどあるようです。
これは長野県在住の筆者にとって、やや意外な場所でした。標高は1,200mで、海のそばに住む人にとっては高く感じるかもしれません。しかし、すぐそばの群馬県境「田口峠」は標高約1,100mで、県道が走っています。この辺りは寒さこそ厳しいものの、県内でも積雪は少ないエリアで、まだ雪は積もっていません。もちろん山中ですので山を歩いて到達する“登山”にはなりますが、地図を見ると車道からそれほど遠くありません。入念に下調べをして、さっそく訪れてみました。
※ “海岸線から一番遠い地点”までは標識はありますが、一般的な登山道ではありません(地形図に記載されていない)。以前は整備されていた形跡はありますが、だいぶ荒廃が進んでいます。沢登りなど、整備されていない山歩きに慣れていて、確実な読図ができる人向けです。十分な登山経験のない方の安易な入山は避けた方がいいでしょう。