■美しい樹氷と美しすぎる南アルプスの山々
山頂は笹で覆われ、ところどころ針葉樹が生えている。成長して立派なモンスターになろうとしている樹氷が、青い空に映えて美しい。
針葉樹の隙間から見える、南アルプスの山々も美しい。この日は南アルプスも晴天だ。南アルプスは春が近づいてくると大雪が降ることがあり、これからもっと白くなっていくのだろう。
10年通っている筆者でも、これほどの晴天は初めて。同行者と二人、写真を撮るのが楽しくてなかなか前に進まない。
大川入山にそびえたつ巨大な樹氷は堂々としており、まるで巨人のようだ。この日山頂付近は積雪が多く、ワカン(かんじき)を着けて歩いたが、踏み跡のない新雪でかなり沈んだ。
南アルプス南部の稜線を眺めながら、来た道を折り返し下山する。治部坂峠まで下るが、途中の「横岳」からは沢の脇を下りる急な斜面がある。アイゼンをつけて慎重に降りよう。網の目のように交差する木の根に転ばぬように進めば、出発地点である治部坂峠だ。
近年、駐車場から徒歩圏内にある「蕎麦処 おにひら 治部坂店」で手打ち蕎麦が食べられるようになったので、ぜひ足を運んでほしい。