■思いに応える「熱い」スタッフたち
スタッフたちも山を安全に楽しみたいという参加者の思いにしっかりと応えてくれる。栗野雅巳さんも登山学校の卒業生。学校に恩返しがしたいと思い、スタッフとなり5年がたつ。
登山中、参加者からのどんな質問にも笑顔で丁寧にわかりやすく答えていた。実習のランチ休憩では、ジュウジュウと音を立てて生姜焼きを作っていた。「山飯という楽しみもあることをみんなに伝えたくて」。学習だけではなく、登山の楽しみ方や醍醐味も伝えている。
校長の宮井秀樹さんも同じく登山学校のOB。気象遭難を減らしたいと、独学で山岳気象を学んでいる。見晴らしのよい場所にくると、空を見上げながら雲の種類や天気を熱く語ってくれたのが印象的だった。
■学びを生かして楽しい登山を
学びの現場であらためて感じたのは、教える側も、教わる側も、みんなの願いは「安全登山」の一言に尽きるということだ。
筆者のように山岳会に所属して活動する人もいれば、個人で山を楽しむ人もいる。栗野さんや宮井さんのように登山学校のスタッフとして活躍している人もいる。学校で学んだことをそれぞれの活動の場で生かし、山行を楽しんでほしいという思いを強くした。
こうした登山学校は全国各地で開かれており、山岳連盟やスポーツショップなどが主宰している。今回紹介した(一社)京都府山岳連盟では、募集は年に一度、毎年3月1日〜4月15日までホームページで参加者を募集している。応募が定員をオーバーした場合は抽選を行い、結果を全応募者に連絡する。京都府民以外でも申し込み可能。
●(一社)京都府山岳連盟 登山学校
【筆者が参加した登山学校の募集概要】
・1年間コースのみ(月単位での申し込み不可)
・5月入学、翌年3月卒業
・全18回、月2回開催(室内学習1回、実習登山1回)※8月と12月をのぞく
・参加費は室内学習と実習登山のセットで月3000円
・月1回の参加でも3000円の参加費が必要
・月単位で欠席の場合、参加費は不要
ホームページに活動報告が掲載されているので、興味ある方はぜひホームページにアクセスしてみよう。
HP:https://tozankihon.web.fc2.com/
※この記事の情報は2023年11月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。