■体験談3. 果樹園で収穫間近の果物がクマに食べられる
筆者が毎年リンゴを買いに行く果樹園では、収穫間近のリンゴがクマに食べられてしまった。「明日収穫しよう」と予定していたリンゴが毎晩のようにクマに食べられ、収穫量は例年の5分の1ほどになってしまったそうだ。
クマは木に登り、高い場所の果実も取ろうとするため、木の枝もかなり折られている。果樹園の管理者は「収穫量が元に戻るまで、5年以上はかかると思う」と悲しそうに話していた。
また、リンゴの木に登っているクマの姿も目撃したそうで「怖くてハサミを握りしめていた」とも話しており、筆者もゾッとした。
秋田県内では、栗農家が被害にあい、クマと鉢合わせしてケガをする被害も出ている。果物や栗はクマも好んでよく食べる。山に入る際は栗の木やどんぐりの木など、クマが好みそうな実を付ける木になるべく近づかないこともクマ対策の一つだろう。
■クマ被害は他人事ではない
秋田県では、山から離れた市街地でも被害が出ていることから「いつでも・どこでも・誰でもクマに遭遇するリスクがある」として、住民に注意を呼びかけている。
秋田市郊外にある筆者の家の近くでもクマのものと思われる糞が見つかり、公園ではクマが目撃された。そのため、近所の小学生はランドセルにクマ鈴を付けて登下校している。また、電車や新幹線がクマと衝突し、遅延することも珍しくない。
今年はクマの餌である木の実の凶作に加え、暖冬予想のため、冬眠しないクマが出る可能性があるようだ。山へ出かけるときには、クマの活動域に立ち入ることをまず自覚して、十分なクマ対策をしてほしい。
クマ対策や鉢合わせしたときの対応については、環境省のホームページに詳しく記載されている。クマの目撃情報が多い地域に出かける際は、事前に読んでおくことをおすすめする。
●参照記事
県内でクマと列車の衝突件数 昨年度より5倍以上増加|NHK 秋田県のニュース