■お湯をかけるだけで、そこは南の島
続いてはローカルフードもの代表として、長寿の島・奄美大島で愛される郷土料理「鶏飯」のフリーズドライを紹介しましょう。
こちらの商品は、TV番組で上白石萌音さんが地元・鹿児島の郷土料理として紹介して話題を呼んだもので、島内で焼酎を作る酒造が手がけている商品です。
使われている具材は、鶏肉、錦糸卵、シイタケ、ネギ、柚子の皮、パパイヤの漬物と、実際に作ろうとするとかなりの手間と特殊な食材が必要になりますが、そこはフリーズドライ。皆様にご用意いただくのは、お湯と白飯のみでございます。
ご飯にフリーズドライを乗せて、お湯をかけてもいいのですが、別容器で戻してからかけた方がキレイに仕上がります。
せめて、これくらいの手間だけでもかけましょう。
気になるお味の方は、かなり出汁が効いた本格派です。
鶏肉はそれっぽいものが入っているのではなく、しっかり鶏肉とわかる塊で入っています。最後にほんのり香る柚子が非常に上品です。お好みで、刻みネギや刻み海苔、すりゴマ、お好みの漬物などを追加してもよさそうです。
この出汁感と香りが保てるのもフリーズドライ食品ならではと言えるでしょう。
■大トリは、なんとお湯で戻るカツ丼!
最後に紹介するのは、フリーズドライ業界のトップランナー、アマノフーズが手がけるかつ丼のフリーズドライです。
「フリーズドライで揚げ物なんてできるの?」と思われそうですが、同社では他にも海老天丼やカツカレー、味噌カツなどの変わり種も手がけており、どれも発売すると即完売する人気シリーズになっています。11月中旬現在、久しぶりに販売されていました。
開封した中身は、他のフリーズドライ食品とあまり違いはありません。
しかし、お湯をかけてみると……。
なんだか、カットされたかつのようなものが見えてきました。
スープなどと違って具材に厚さがあるので、箸で少し揺らしながらお湯を吸わせるのがポイントです。
お湯をかけてから60秒。熱々ご飯にかけると、普通に美味しそうなビジュアルのかつ丼が完成しました。
早速、口に運んでみると驚くほど肉の食感がしっかり。卵はフワフワトロトロ、出汁もしっかり香る非常にリッチな味わいで、言われなければこれがフリーズドライだとは気がつかないほどの高い再現度です。
現在のところ、かつ丼を含む「フリーズドライの匠」シリーズは、アマノフーズのオンラインショップでのみ、年に5、6度ほどの頻度で定期的に数量限定販売されています。ゲットできた方は自慢できるくらいの人気振りなので、まめにサイトをパトロールしてみましょう。
ご覧のようにフリーズドライの進化は、もはや我々の想像の斜め上のステージに到達しています。アウトドア料理のメインや1品、時には食材として上手に取り入れて、美味しい食事をお楽しみください。