■魅力その3:雪と霧のドラマチックコラボ

檜洞丸山頂付近に霧が現れた(撮影:鶴岡 亜矢子)

 ある年の1月上旬。山頂付近の「展望園地」に来てみると、霧の幻想的な風景に出会った。

檜洞丸のおおきな「うろ」の開いた樹木(撮影:鶴岡 亜矢子)

 雪の白と霧の白の微妙なグラデーション。まるで趣向をこらした舞台を見ているような気持ちになった。

■魅力その4:犬越路の秘境感漂うブナ林

犬越路へ向かう尾根筋(撮影:鶴岡 亜矢子)

 ある年の12月、山頂を過ぎて犬越路を歩くと、葉を落としておばけのような姿になったブナたちが彫刻のようにそびえ立っていた。このあたりは年間通して登山者が少なく植生も豊かで、丹沢の奥地に来た秘境感漂う眺めが楽しめる。

筆者のお気に入り。寄り添う2本のブナ(撮影:鶴岡 亜矢子)

■日帰り登山は大きく分けて2つのルート

 檜洞丸を楽しむなら、大きく分けて2つのルートがある。どちらも「西丹沢ビジターセンター」をスタートするが、1つめはつつじ新道を経て檜洞丸に登り、そのまま来た道をピストンで戻る「往復ルート」と、もう1つは檜洞丸から犬越路を通り、犬越路避難小屋から用木沢出合(ようきざわであい)を経て、西丹沢ビジターセンターに戻る「周回ルート」だ。

 距離は往復ルートが約10㎞、周回ルートは約13㎞。どちらも楽しいが、周回ルートはヤセ尾根や鎖場がある。高度感もあるため、怖いと思ったり危険を感じたらすぐに引き返そう。また往復ルートのつつじ新道も、よく整備されているがかなり切り立った尾根だ。滑落も多いと聞いている。ちょっとした転倒でも大事故につながる可能性があるので、慎重に歩こう。

山頂から蛭ヶ岳方面の丹沢山地を眺める(撮影:鶴岡 亜矢子)

●【MAP】神奈川県立西丹沢ビジターセンター