■万が一の道迷いに備えるためできること
最後に、万が一の道迷いに備えるために自ら対策できることをいくつかご紹介したい。
対策1:山に入る際には必ず、事前に登山計画書を作成し、家族等と共有し、行き先と下山予定日(時刻)を伝えておく。また、登山計画書は登山届ポスト、都道府県警察、自治体などに提出しておく。これにより、帰宅が遅れた時の初動が早く、また場所を絞っての捜索が可能となる。
対策2:「YAMAP」「ヤマレコ」「ジオグラフィカ」等の登山用GPSアプリを利用し、自分の現在の位置と正しいルートを常に把握しながら行動する。こういったアプリはGPSの電波さえ入れば携帯電話の圏外でも使えるし、迷ってから地図を見ても遅いのだ。
対策3:上記のアプリには自分の位置情報を発信する機能もあるのだが、この機能は携帯電話の圏外ではタイムリーに使えないので過信は禁物だ。
対策4:スマホの予備バッテリーは忘れずに持っていく。地図アプリを見ながら行動すると電池の減りが早いので注意(圏外の場所では機内モードにすることにより、電池をかなり節約できる)。
登山は素晴らしいものだが、反面どんな山にもリスクはある。自分のためにも、家族や大切な人のためにも、万が一の時のための備えを怠らず、安全に山を楽しんでいただけたら幸いである。