■風が吹いて状況が一変。なんとか釣りが成立⁉︎
そんな厳しい状況がガラリと一変したのはお昼前のことだった。風が吹き始めてそれまで鏡のようだった湖面が波立ってきたのと同時にルアーにアタックしてくる魚の数が明らかに増えてきたのだ。
おそらく湖面が波立ったことで、魚の警戒心が薄れたのと同時に筆者が操るルアーの輪郭が曖昧になり違和感が少し解消されたのだろう。この釣りに限った話ではないが、やはり釣りは風が吹いてからが本番である。
ちなみにこの時、筆者は魚の警戒心を少しでも減らすために、ライン(釣り糸)をエリアトラウト(管理釣り場)用の細いものに切り替えていた(PEラインを0.6号から0.4号へ、リーダーも8ポンドから5ポンドに変更)。
岸から狙う釣りでは水辺にある障害物などにラインが擦れて切れる心配があるため、ラインを細くするのはかなりの勇気がいるが、今回のようにボートから狙う釣りならば障害物の心配はほぼないため、魚に気付かれにくい細いラインを使用できる。これはカメムシ・パターンのようなトップウォーター(水面上)の釣りではとても大きな武器となるので、これも釣果に結びついた要因といえるだろう。
この日は午前8時から午後3時まで、およそ7時間の釣りでレインボートラウト5匹とブラウントラウト1匹の計6匹という釣果だった。サイズは35~42cm。例年であればもう少し良型が釣れるのだが、今回は小ぶりが多かった。釣りあげた魚たちはその場ですぐにリリースしたので元気に湖水へと帰っていった。
●丸沼のカメムシ・パターンの釣りで使用したタックルと道具(手漕ぎボートからの釣り)
【タックル】
・ロッド:エリアトラウト(管理釣り場)用のスピニングリール竿1.8メートル
・リール:エリアトラウト(管理釣り場)用のスピニングリール1000番
・ライン:PEライン 0.4号(7ポンド)長さ100メートル
・リーダー:フロロライン 1.25号(5ポンド)長さ約1メートル
・ルアー:カメムシやセミを模したトラウト用の小型トップウォータープラグ 重さ2グラム前後
・フック:エリアトラウト用のシングルフック(バーブレス)
【その他の道具】
・ライフジャケット:水難事故防止のため着用が義務付けられている。環湖荘で貸し出しあり。
・ランディングネット:釣れた魚をすくうためのもの(ラバータイプを使用)
※ボートを固定するためのアンカー(おもり)とロープはボートに備え付けられていないので、使用する場合は各自で用意する必要あり。
■晩秋の丸沼でカメムシ・パターンを楽しもう
今回、丸沼の秋の風物詩であるカメムシ・パターンの釣りを楽しみに出かけたが、期待に反してカメムシの姿は見ることが出来なかった。しかし水面を意識した鱒がいてくれたお陰で、厳しいながらもなんとか釣りを成立させることができた。
当日釣り場で出会った釣り人に話を聞いたところ、カメムシが湖面に多く落ちている日とそうでない日があるそうで、今日はカメムシが少ない日だったと話していた。常連でもカメムシが多い日の予想は難しいらしく、こればかりは運としかいいようがないようだ。
2023年の丸沼での釣りは11月末日まで楽しめる。朝晩の気温は氷点下になることは珍しくなく釣り人にとっては寒さも厳しいが、水温は気温ほど急激に低下しないため鱒はまだまだ元気に泳ぎ回っているはず。今年もカメムシ・パターンは禁漁直前まで楽しめるので、興味のある方はぜひチャレンジしてもらいたい。
丸沼温泉環湖荘 丸沼の釣り情報(営業時間、利用料金、釣りのルール、最新の釣果情報(SNS)など)あり https://www.marunuma.com/fishing
●【MAP】丸沼温泉環湖荘