こんにちはコージー中嶋です。涼しくなってきて秋の訪れを感じますね。ブラマン読者にとっては「スポーツの秋」や「食欲の秋」もしくは「紅葉」などかと思いますが、「芸術の秋」や「読書の秋」もありますよね。11月3日は「文化の日」。というわけで、先日ちょっと歴史のお勉強も兼ねて、東京池袋のサンシャインシティにある古代オリエント博物館で現在秋の特別展として開催中の「おまもりとハンコとコイン ~古代オリエントの偉大なる小さきものたち~」の取材に行ってきましたので、少しだけご紹介させていただきます。秋の行楽に “知” のアクティビティなんていかがですか?

古代オリエント博物館 秋の特別展「おまもりとハンコとコイン ~古代オリエントの偉大なる小さきものたち~」(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

■古代の人々の願いが込められた小さな 護符(お守り)「スカラベ」

 古代において護符は、その所有者にパワーと守護を与えると信じられている宗教的・呪術的に重要なものでした。また「スカラベ」とは、ラテン語でフンコロガシ(動物の糞を球状に丸めて運ぶ食糞性の昆虫)のこと。古代エジプトなどでは、お守りや装飾品にこのスカラベをモチーフにしたものが多いのだとか。

 なぜかというと、古代エジプトでは動物の糞を丸めながら転がして巣穴に運ぶ姿を “天空の太陽を転がしている” ようだと捉え、聖なる昆虫として崇められていたそうです。そして、その底面には文字や幾何学模様・自然物や神を表すものなどが描かれていて、身につけたり、死んだときに埋葬品にしたりもあったそうです。

本特別展で初展示の紀元前16~20世紀頃のスカラベ(背面・シリア)(画像提供:古代オリエント博物館)
動植物が刻まれた紀元前16~17世紀頃のスカラベ(底面・エジプト/レヴァント)(画像提供:古代オリエント博物館)

糞を太陽に見立てて、それを宙を運搬している様と想像するという発想は、キリスト教の「天動説」とも通じる部分があるのかも知れませんね……。

動物の糞を転がすフンコロガシ