八ヶ岳と南アルプスに囲まれたキャンプ場「Windera CAMPGROUNDS」。2023年3月に長野県諏訪郡富士見町に新規オープンしたキャンプ場である。まだ夏の暑さが残る9月下旬、1泊2日のキャンプをしてきた。

 運営しているのは、関東で炭火焼鶏ダイニングや居酒屋、熟成肉とワインのお店、NEO大衆居酒屋といった飲食店を経営するconoworld 株式会社だ。それだけに、用意されているキャンプフードのクオリティに期待が高まる。

 筆者が選んだのは「氷温熟成豚トマホークステーキ」(1500円)だ。いわゆる骨付きのリブロース。食べるのも初めてだが、焚き火で焼くのも初めて。初めてづくしで少しの不安を抱えつつ、長野県へ向かった。

■広々とした敷地内には高木が立ち並ぶ

キャンプ場の目の前は畑。冬には鹿が遊びに来ることもあるという

 車で行く場合は、中央自動車道・小渕沢ICから約10分。筆者は電車を乗り継ぎ、中央本線・信濃境駅からタクシーを利用した。山道を進んで行くにつれ、この先に本当にキャンプ場があるのかと不安になるほど畑と林ばかりの道を10分ほど走り続けた。

フリーサイトは地面が平らなのでテントが張りやすい
トレーラーハウスをリメイクしたタイニーハウスは5棟

 敷地内には高い木々が立ち並び、フリーテントサイトが整備されている。比較的平地なので、テントが張りやすい。もともとトレーラーハウス型宿泊施設だったところを、リノベーションしてキャンプ場にしたといい、トレーラーハウスだった建物はシンプルなタイニーハウスにリメイクされている。トイレとシャワー室も完備されている。

トイレは温水洗浄便座、シャワー室にはドライヤーも

■骨付き肉「トマホーク」を焼く

 八ヶ岳に見守られながらテントを設営、持ってきた焚き火台をセッティングして、トマホークを焼く準備を進める。

 冒頭では、トマホークを「いわゆる骨付きのリブロース」と説明したが、もう少し詳しくいうとリブロースの中でも赤身と脂身のバランスがよく、しかも柔らかいといわれている中心部分の骨付き肉のことだ。食べたくなるのは当然だろう。

 そして、このキャンプ場で用意されているのは、「氷温熟成」した豚のトマホークなのだ。氷温熟成とは、肉が凍る直前の温度で寝かせて、旨味やコクをアップさせる加工技術のことである。

 「今すぐにでも食べたい!」とはやる気持ちを抑えつつ、焼く準備を進める。トマホークのような分厚い肉を焚き火で焼くのは初めてだ。あらかじめいろいろな動画をチェックしていったが、いささか緊張しながらスタート。

キャンプフードは要予約。指定した時間に解凍されたトマホークを届けてくれる
焦げないように弱火でじっくり焼く

 キャンパー御用達のスパイス「ほりにし」を全体にたっぷりとふりかけ、両面にオリーブオイルを塗って焼き網の上へ。動画ではニンニクスライスを載せているシーンも見たが、今回は忘れてしまったので、味付けはほりにしのみとした。油が落ちて火が燃え上がるのではないかと心配したが、そんなことはなく、落ち着いて焼くことができた。