■有田焼の食器で食事ができるレストラン

「arita huis」は、2018年オープンの宿泊施設。1階レストランだけの利用もできる(撮影:三浦かきつばた)

 ショッピングだけでなく、お腹も満たせるのがアリタセラのもう一つの魅力。施設内には2か所のレストランと3つのショップ併設カフェがあり、いずれも食事は有田焼の食器で提供される。

渋い染付の皿に盛り付けされた、arita huisの「タコとトマトの漁師風パスタ」(パスタランチ1980円)(撮影:三浦かきつばた)
洗練された八角皿が「スモークサーモンのレモンクリームパスタ」(パスタランチ1980円)を美しく引き立てる(撮影:三浦かきつばた)

 筆者が選んだのは「arita huis(アリタハウス)」。2018年4月にオープンした宿泊施設で、レストランはランチやカフェだけの利用もできる。パスタやサラダを中心とした都会的なランチセットが、近隣ショップで購入できる器に盛り付けられて提供された。

 使用したときの艶やかさ・手触りのよさが実感でき、ますます有田焼が欲しくなってしまう。実際に使用したサラダボウルに魅了されてしまい、またも悩むことに。

左手前のサラダボウルは「2016/」という、海外のデザイナーとコラボしたシリーズ(撮影:三浦かきつばた)

 結局、arita huisのランチで提供されたサラダボウルを2つ購入。こちらはドイツ人デザイナー、クリスチャン・ハースのコレクション。色みをシンプルに抑え、磁器ならではの質感を活かしたボウルで、シルエットがとてもきれいだ。自宅使いでも大活躍してくれるに違いない。

■有田焼について深く知れるアリタセラ

 有田焼についてまったく事前情報はなかったが、数時間後には「この器はかなりモダンなスタイルだ」「これは手で染付をしたに違いない」などと、いっぱしのツウ気どりな会話を繰り広げてしまった。

 目に入るものすべてが有田焼という状態で約半日を過ごし、自然と類型がわかったような気になってしまう。「有田焼」というコンテンツだけに特化したショッピングリゾートだからこそだろう

 ショッピングもグルメも満喫して大満足。「有田焼のベッドもありか!?」と妄想しながらアリタセラをあとにした。

 その土地でしか生まれ得ない伝統産業が400年間継承され、すばらしい文化として観光資源になっている。生まれて初めて訪れた有田を大好きになって帰ってきた。

●アリタセラ

住所:佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351番地169

電話:0955-43-2288

HP:アリタセラ / Arita Será