筆者は夫婦でキャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを周遊中で、現在6か月(2023年8月時点)になる。その中で、日本人の方より「キャンピングカーのトイレってどうなっているの?」「臭いは?」「処理の仕方は?」とトイレに関しての質問を受けることがある。
ヨーロッパではキャンピングカーが普及しており、文化の一部であるが、日本ではバンタイプの車や一般的な乗用車をDIYした車中泊が多く、トイレがないタイプがほとんどのため、疑問を持つ人も多いようだ。
今回はキャンピングカーのトイレの種類や、日本で主に使われているカセット式トイレの使い方、処理の仕方などを詳しく解説する。ヨーロッパと日本ではキャンピングカーのトイレ仕様が同じ部分も多いので、興味がある方や購入を考えてる方は参考にしてほしい。
■キャンピングカー用トイレは「3種類」
キャンピングカー用トイレにもいくつか種類があり、それぞれで仕様や処理の仕方が変わる。今回は代表的な3つの種類を紹介する。
●ブラックタンク式(マリン式)トイレ
船のトイレと同じ仕組みであることから、マリン式と呼ばれている。容量は100L前後とタンクが大きく、欧米の大型キャンピングカーに設置されていることが多い。
汚水はブラックタンクに溜められ、処理はホースをつないで、排水レバーを引く仕組み。専用のダンプステーションが必要となり、RVパーク施設の少ない日本ではこの種類のトイレはそれほど普及していないのが現状だ。
●ポータブル式トイレ
便座部分とタンク部分が一体型になっており、車内に置くだけで設置できる仮設トイレだ。
容量は10〜20L程度のため、2人で使用した場合、1〜2日で処理しなければならない。処理方法はタンク部分を取り外し、ダンプステーションまたは自宅のトイレで汚水を流す方法。
価格も1万円前後とお手頃で、簡単に設置でき、持ち運べることからバンや自動車など小スペースの車で使用されることが多い。
●カセット式トイレ
車内に便座部分が固定されるタイプで、欧米、日本のキャンピングカーでも使われている。処理方法は車の外からカセットタンクを取り外し、ダンプステーションまたは自宅のトイレで汚水を流す。タンクを外から取り出すタイプで、車内を清潔に保てるのがポイントだ。