樹林帯の向こうに見える雲海と富士山・雲に浮いているようだった

 登山口から45分ほどで標高1,880m地点の「雲海展望台」に到着。草木が成長しており、眺望が限られるが、木々の向こうに雲海と富士山を確認することができた。ベンチも設置されているので、最初の休憩をとるのにぴったりな場所だ。

 雲海展望台を過ぎると笹原の樹林帯だったのがいつの間にか笹はなくなり、代わりにゴツゴツとした岩が目立つようになってくる。木の根が張り出している箇所も多くなるので足元には気をつけたい。

雲海展望台から押手川分岐に向かう登山道。展望のない登りが続く

 雲海展望台を過ぎてから、山頂直下まで眺望のいい場所はなく、ひたすらに登り続ける区間になる。単調な登りが続くので体力と根気が必要だ。

 雲海分岐点から約40分ほどで押手川分岐に到着する。押手川分岐は最短で山頂を目指す直登ルートと巻道ルートがあり、巻道ルートは青年小屋へと続く。

 どちらからでも編笠山山頂には行けるが、巻道ルートの方が山頂までの所要時間が約30分ほど多くかかるものの、体力的には楽なルートなので体力に自信のない人は巻道から青年小屋を経由して山頂を目指すといい。

押手川分岐からは登山道は岩だらけになり、天然の石段を登っていく

 直登ルートを選ぶと、距離は短いが斜面は急になり、ゴロゴロとした岩の石段をひたすらに登っていく。筆者は登りで直登ルートを選択したが、ここが一番の正念場であったと感じる。

 標高を上げるにつれて周囲の木々が低くなってくる頃、振り返ると南アルプスの景色が見えるようになる。山頂が近づいてきている証拠なので、景色をカンフル剤に登り切ってしまおう。

低くなってきた木の間から見える南アルプス。景色がいいと登りがキツくても気持ちがいい

 低くなった木々はやがてハイマツに代わり、岩肌が見えるようになると山頂直下である。ここまで来ればきつい登りは終わりとなる。

山頂直下。もうこれ以上登りはないことに汗だくの状態で安堵する