■秋は山々の斜面が赤や黄色の紅葉に包まれる

足元の花々に目を奪われがちだが、視線を上げると周囲はダイナミックな山岳風景が広がっている

 山の傾斜を利用した植物園は見通しがよく、敷地の広さを実感できる。また、植物園は全体的に展望がよく、五竜岳や唐松岳などの白馬の山々を見渡せるロケーションだ。尾根の向こうには白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳の白馬三山のピークが顔をのぞかせ、秋になるとこれらの山々の斜面が赤や黄色の紅葉に包まれる。
ゴンドラで高い場所までひと息に上がり、山岳エリアの秋の風景やそこに生息する植物までのんびり見て歩いて体験できるのはうれしい限りだ。

■氷河を観賞できる小遠見山へのトレッキングコース

カクネ里の氷河が見える小遠見山へのトレッキングにもチャレンジしたい

 トレッキング気分を味わいたければ、植物園の最上部から「地蔵ケルン」や「小遠見山」を目指してみよう。地蔵ケルンは北アルプスや周囲の山並みをパノラマビューで見渡せる展望地。近くにある「地蔵の沼」付近には木道が整備されており、湿原を散策できる。

 そして、標高2,007mに位置する小遠見山まで上がると、鹿島槍ヶ岳の山肌に延びる「カクネ里雪渓」の氷河を眺めることができる。白馬エリアの山々にはほかにも氷河が発見されているが、「カクネ里雪渓」は2018年に長野県ではじめて氷河認定されたものだ。こんもりとした小遠見山のピークにはベンチが置かれ、ゆっくりと氷河を観賞できる。小遠見山へのトレッキングは植物園から往復3時間ほど。植物園の散策ともたっぷり白馬エリアの自然を満喫していこう。

 

●【MAP】「白馬五竜高山植物園」

白馬五竜高山植物園
https://www.hakubaescal.com/shokubutsuen/