■標高の低い山なら安全?

標高が低いのにハードな宮城県・オボコンベ山の登山道(撮影:川村 亨)

 標高の低い山は、一般的に登りやすいというイメージを持っている人が多いだろう。しかし、山の難易度は単に標高だけで測れるものではない。標高の低い山でも、人があまり入らない場所では標識がなかったり、不明瞭な道も多かったりする。また、山によっては登りづらい岩場や鎖場などの難所を通る場合がある。

 山でのトラブルを防ぐには、事前に山の情報収集が大事である。具体的には、ガイドブックや山岳情報サイトで、登山コースの歩行時間や累積標高差、難所や注意ポイントがないかを調べる。初めての山登りであれば、歩行時間4時間以内、累積標高差600m以内を目安にするとよいだろう。そして、登山の際は経験者に同行してもらうと、より安全に登れるだろう。

▼標高が低いのにハードコース「オボコンベ山」で登山の注意ポイントをご紹介
ナメてはいけない登山「標高595m&3時間」低山でも「徒渉・鎖場・ヤブ漕ぎ」あり! 宮城「オボコンベ山」ハードコース実踏レポ https://bravo-m.futabanet.jp/articles/-/124008

▼遭難やケガのリスクを減らす登山計画の立て方はこちらから
安全登山のための「初手の初手」意外と知らない「正しい登山計画」の立て方とは?https://bravo-m.futabanet.jp/articles/-/123501

 

■登山届は必要ない?

ヤマップで作成した登山計画書(画像提供:YAMAP)

 登山届は、遭難してしまったときに活用される書類だ。救助活動を行ううえでの貴重な材料となるため、登山の際には提出しておくのがルールだ。しかし、提出を面倒に感じる人もいるだろう。また、登山届は一部の地域を除いて義務化されていないので、提出を怠る理由の一つかもしれない。筆者自身も、登山を始めた頃は提出の仕方がわからず、登山届を提出せずに登山をした経験がある。

 義務化はされてはいないが、登山届は自分の命を守るために不可欠なものである。筆者がよく利用するのは、ヤマップというアプリで登山計画を作成し、登山ポストに投函する方法である。登山届を紙で書くのは面倒だが、アプリであれば登山計画書から引用して、登山届を手軽に作成できる。

 また、ヤマップはアプリからオンラインで登山届を提出できる仕組みがある。義務化されている長野県や群馬県を含む、一部地域で自治体との連携がされている。より手軽に登山届の提出ができるので、ヤマップのアプリを利用するとよいだろう。

▼YAMAP / ヤマップ https://yamap.com

▼ヤマップと協定を結んでいる自治体 https://help.yamap.com/hc/ja/articles/900000957343-登山計画を登山届として提出できる-

■登山の知識を学び、山歩きを安全に楽しもう

 登山初心者がよくする勘違いを3つに絞って解説した。登山に慣れていない人ほど遭難やケガのリスクが高まるため、初心者こそ適切な登山装備を用意してほしい。また、標高が低い山だからといって油断せず、山の情報収集をしてから登るように努めるのが大事だ。そして、登山の際は登山届の提出を忘れずにしよう。登山に必要な知識を学ぶことで、山歩きを安全に楽しむことができるだろう。