■大朝日岳~古寺山~日暮沢登山口
大朝日岳を下って古寺山方面へ歩を進める道中、可憐なヒメサユリ(オトメユリ)が咲いていた。ヒメサユリは福島県や山形県、新潟県の地域でしか見られない希少な花だ。ちょうど満開で、登山道の周りで咲き乱れるヒメサユリロードのようだった。
小朝日岳・古寺山を越えてさらに下っていく。登りと同様、長い樹林帯の道だ。大きい沢の音が聞こえると日暮沢登山口までは近い。沢沿いの林道を歩いて、日暮沢登山口へ着いたのは14時過ぎだった。
■大朝日岳登山時の注意点
「遠い朝日」とも謳われる大朝日岳。最短の「中ツル尾根直登コース」でも片道約6時間かかる。大朝日岳は7月頃まで残雪があり、滑落の危険があるので、念のためにアイゼンの携行をおすすめする。今回の山行では、中岳付近で雪渓をトラバースする場所があったため、軽アイゼンを使用した。
水場は多くあるが、雪に埋もれて利用できなかったり、浄水器が必要な場所があったりする。そのため、事前に水場の情報を確認しておこう。参考までに筆者が現地で確認した水場情報を載せておく。今回の山行では、2.5Lの水を携行し、竜門山避難小屋の水場で給水をした。
水場(2023年7月上旬時点)
・日暮沢登山口:〇
・ゴロビツ(日暮沢登山口~清岩太山の中間あたり):△
・竜門山避難小屋:〇
・金玉水(大朝日岳山頂避難小屋下):△
※雪で隠れているが、付近に流れる水から給水可能
・銀玉水(大朝日岳から小朝日岳へ下ったあたり):〇
・三沢清水(古寺山からハナヌキ峰の間):未確認
※〇:利用可、△:浄水器が必要
▼山の最新情報 - 朝日鉱泉・大朝日岳・朝日連峰 https://www.asahikosen.com/ホーム/山の状況等最新情報/
■朝日連峰の雄大な景色を眺めながら縦走を楽しもう
朝日連峰への登山は、雄大な景色を眺めながらの縦走が魅力。また、初夏には残雪模様の山容や、ヒメサユリやヒナウスユキソウなどの美しい花々も見どころだ。
「遠い朝日」とも謳われるように、大朝日岳の登頂は容易ではないため、体力的に無理のない行程で、水や行動食を多めに準備して登ろう。登頂時には大きな達成感と最高の景色を体感できるだろう。