朝日連峰は山形県と新潟県の県境、南北約60㎞・東西30㎞にわたって峰を連ねる。美しい展望が広がるなかでの縦走は、大朝日岳(おおあさひだけ)登山の魅力の一つだ。また、初夏は稜線に残雪模様が映え、可憐なヒメサユリやヒナウスユキソウなどの花々も楽しめる。そんな魅力たっぷりの朝日連峰への登山をレポートする。

■1日目:日暮沢登山口~竜門山避難小屋 

日暮沢登山口(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 今回は、日暮沢(ひぐれさわ)登山口から大朝日岳を周回する1泊2日のコースを歩いた。難所はないが、約21㎞、約13時間の行程で、体力と経験が必要になる中~上級者向けのコースである。 

【日暮沢周回コースの行程】
1日目:日暮沢登山口~清太岩山(せいたいわやま)~ユーフン山~竜門山(りゅうもんざん)避難小屋
2日目:竜門山避難小屋~竜門山~西朝日岳~中岳~大朝日岳~小朝日岳~古寺山(こでらやま)~ハナヌキ峰~日暮沢登山口

大朝日岳の登山マップ https://www.gassan-info.com/up/spot/2_file1.pdf?1684139956​

 訪れたのは7月上旬。1日目は反時計回りに登り、竜門山避難小屋に宿泊する予定だ。午前11時過ぎ、日暮沢登山口に着くと、そこにはトイレ付きの避難小屋や水場があった。準備を整えて登山道を歩き出す。始めは長い樹林帯の道だ。じりじりと日が照り、ペースを上げていないのに汗が止めどなく出てくる。熱中症対策として、水分や塩タブレットを補給しながら、さらに高度を上げていく。

ミツバオウレンの群生(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 歩き始めて約2時間、展望が開けた清太岩山の手前あたりでマイヅルソウやツマトリソウなどのお花が咲いていた。なかでも印象的だったのがミツバオウレンの群生だ。こんなにもたくさん咲いているのは初めて見たので、思わず嬉しさが込み上げる。

稜線沿いから見える大朝日岳。山頂付近は雲に覆われている(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 清太岩山、ユーフン山を越えて竜門山避難小屋を目指す。竜門山の分岐から竜門山避難小屋へ下ると、稜線沿いにハクサンイチゲやヒナウスユキソウ、ムカゴトラノオなどが咲き、白い花々が彩っていた。

ヒナウスユキソウ(ミヤマウスユキソウ)(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)