■釣りハードル⑤ 魚を締めるのが怖い

魚を締めるのに抵抗がある人は氷締めという方法がある(撮影:田奈 真知)

 釣りが苦手になってしまうポイントをいくつか紹介してきたが、最後に釣った魚を美味しくいただくために行う「締める」という作業が苦手という人もいるだろう。

 釣った魚の鮮度を保つために即死させることを「締める」と呼ぶが、その締め方はいろいろある。魚の眉間あたりにフィッシュピックなどの太めの針を突き刺す方法や、魚のエラ付近にある動脈を切り、血抜きをしてエラを切る方法。

 このほかにも神経ワイヤーを使用し、神経締めをするなどの方法があるが、どれも生きたまま魚を即死させるのは同じ。鮮度と旨味を残したまま持ち帰るためにとても重要な手法だ。

 しかし、魚を締めることに躊躇する人もいるだろう。そんな人には「氷締め」という方法がおすすめ。クーラーボックスに海水を入れ、氷や保冷剤も入れて低温の海水「潮氷(しおごおり)」をつくる。この中に魚を入れるだけ。

 最初は活発に動いている魚の動きが徐々に鈍くなり動かなくなってくる。魚の命を奪っていることには変わりはないが、魚を傷つけることに抵抗がある人にはこんな方法があることを知ってほしい。

■釣りのハードルが高いのは最初だけ

釣りはハードルを超えてしまえば楽しい趣味(撮影:田奈 真知)

 釣りは自然を生き抜く魚という命を相手にした趣味だ。なので、興味があるけどハードルが高いのも事実。しかし、釣りをすることで普段の生活では経験できないことを学ぶ機会は多い。

 普段スーパーで買っている魚は、漁師の人がこうやって獲ってきているんだと子どもに教えることができ、食育という面において貴重な体験ができるだろう。

 また、釣ったばかりの魚はどのスーパーで売っているものよりも新鮮だ。これは釣りをしないと味わえない醍醐味である。魚釣りを通して自然の大切さや地球環境について考え、命の大切さや魚の捌き方など他のスキルも覚えられる。一歩踏み出すことで、楽しいことがたくさん待っている釣り。今年の夏休みに挑戦してみるのはいかがだろうか?