■避難場所、避難ルートも事前に確認を!

十勝岳の避難小屋はひとつだけ

 一般的な十勝岳への登山ルートは望岳台からスタートする美瑛町側となるが、ルート上にある避難小屋はひとつだけ。この小屋は木造の避難小屋であって、堅牢な防災シェルターではない。中にはヘルメットなど最低限の防災グッズが置いてある。

 登山口の望岳台には近年建設された十勝岳防災シェルターがある。登山中に噴火が起きた場合、まずはこの防災シェルターまでの避難を目指したい。

■増えている噴火観測施設

避難小屋付近に設置されている噴火活動の観測施設

 十勝岳は周期的に考えるとすでに次の噴火が時間の問題であり、今後5年以内に噴火する可能性が非常に高いと言える。これらを踏まえ、気象庁や各大学の研究室などは噴火活動をいち早く察知するための機器を十勝岳の各所に設置して観測を行っている。それらの数が年々増加していることは、緊張感の高まりを意味している。

■異変を感じたら直ちに下山!

山頂を目指し火口縁を歩く登山者たち

 十勝岳の噴火が予測されるとは言え、現時点で登山の自粛を求めるような状況ではない。人気の山への登山を行うかどうかは、他の山と同様に自己の判断となる。そのうえで、噴火に対するリスクと対処を今一度考えてから登山に向って欲しい。

 万が一、登山の途中でなにかの異変を感じたら即刻登山を中止して引き返す判断が大事だろう。

気象庁噴火警報・噴火速報のwebページ https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#5/34.5/137/&contents=volcano