南アルプス光岳小屋への主な登山口は長野県側と静岡県側にありますが、今回の台風2号によってどちらも大きな被害を受けました。現在の被害状況と、今シーズンの営業の見通しをお伝えします。
■長野県側からのアクセス状況について
芝沢ゲート手前の下栗の里周辺において、土砂崩落などにより林道が通行止めとなっています。こちらからアプローチする場合は、迂回路を通行して下栗地区に進入することとなりますが、道路が狭いため通行には注意が必要です。地元の方の生活道にもなっていますので、安全運転でお願いします。
飯田市からの情報では、現在芝沢ゲート~易老渡~便ガ島までは徒歩通行不可。易老渡・便ガ島からの登山も不可となっております。芝沢ゲートから先の道路が崩落した箇所は、今後2、3年をかけて復旧していくとのことです。
崩落した道路の歩行者用迂回(高巻き)ルートの設置を計画していますが、梅雨時期のため現地調査が進まない状況です。歩行者迂回ルート設置の見通しは立っていません。道路崩落が大規模であるため、現地の状況次第では必ずしも復旧計画が予定通りいくとは限りませんが、7月の連休前までに徒歩通行不可の解除を目指しているとのことです。
■静岡県側からのアクセス状況について
茶臼岳までのルートにおいては、ウソッコ沢の登山道が被災しておりますが、復旧できたとのことです。復旧はできましたが、沢沿いを歩くため、特に大雨の前後は慎重な判断が必要です。
光岳小屋を予約してくださっている方の8割以上が、易老渡登山口から入山予定の計画となっています。予定通り、7月の連休までに歩行者用迂回(高巻き)ルートが設置された場合、崩落個所の斜面を迂回することになります。易老渡登山口までも軽微な被災箇所を越えていくため、ご自身を守るためにヘルメットを着用するのが安心かと思います。
また、コースタイムが通常よりも長くなることへの不安がある方は、今一度登山計画を見直してみてください。小屋への到着は15時までにとご案内しております。よく「15時を1分でも過ぎたらいけないのか」とか「計画だと17時ごろの到着になります。大丈夫ですか?」と問い合わせをいただきます。15時までに到着する登山計画を立てていただくと、不測の事態にも対応が効くかと思います。必ず日は暮れますし、考えられるリスクは少なくしたいですよね。またさっきまで晴れていても、15時、16時ごろになると夕立、雷雨の発生が多い山域です。
準備8割と言いますから、まずは無理のない計画を立てていただき今シーズンも安全登山第一でお願いします。