静岡県中部の島田市には、「千葉山(ちばさん)」と呼ばれる標高496mの山がある。静岡にあるのに「千葉」の名がつくこの山は、頼朝公の臣下であり、現在の千葉県に勢力を広げていた「千葉氏」に由来する。
この山には奈良時代に建てられた天台宗派の寺、智満寺(ちまんじ)があり、寺が建てられた年の元号「宝亀(ほうき)」にちなんで「宝亀山」と呼ばれていた。その後、鎌倉時代に千葉氏が頼朝公の命で智満寺を中興した功績により「千葉山」と山号が改められたと伝わっている。
鎌倉時代以降、この寺では多くの戦国武将が武運長久(ぶうんちょうきゅう)を祈願するようになり、安土桃山時代には家康公が本堂を再建した。
今回は2022年大河『鎌倉殿の13人』の頼朝公や、2023年大河『どうする家康』の家康公にゆかりが深く、往復3時間程度で楽しめる、千葉山智満寺をめぐるハイキングコースと、ハイキング後に立ち寄れる、人気キャンプ漫画『ゆるキャン△』の聖地であり、世界一長い木造歩道橋「蓬莱橋」散策について、それぞれの魅力を紹介しよう。
■千葉山ハイキングスタート
千葉山ハイキングの玄関口は、東名高速道路・相良牧之原ICから約40分、新東名高速道路・金谷ICから約20分、国道1号線・向谷ICから約10分の場所にある「島田ゆめ・みらいパーク」の駐車場だ。駐車場にはトイレや水場があるので、しっかり準備を整え、駐車場の奥にある階段を登ってハイキングコースへ向かおう。
階段を登って林道に入るとすぐに看板があるので、まずはどうだん原に向かう。林道はしっかり踏み固められており、木漏れ日が気持ちいい。風の音や鳥の声を楽しみながら、ゆっくり自分のペースで足を進めよう。
林道に入るとすぐに智満寺へ続く「伊太丁仏参道(いたちょうぶつさんどう)」に合流する。この参道に合流すると、石仏が一定間隔で現れる。石仏ごとに微妙に表情が違うので、一つひとつお参りしながら歩くのも楽しそうだ。
駐車場から50分ほど歩くと尾根が見えてきて、どうだん原に辿り着く。ここは開けているため景色が良く見え、ベンチやトイレが整備されているので多くのハイカーが休憩している。
●島田ゆめ・みらいパーク駐車場
・アクセス:
東名高速道路・相良牧之原ICから約40分、新東名高速道・金谷ICから約20分、国道1号・向谷ICから約10分
・開園時間:
3月1日〜6月30日、10月1日〜11月30日(9時から17時まで)
7月1日〜9月30日(9時〜18時)
12月1日〜2月末日(9時〜16時)