夏から秋にかけてのアウトドアシーズンは、野生生物の活動も活発になる時期。中には危険な生き物も潜んでいるが、正しい知識をもって対策をすれば、被害を防げるはず。
この記事では、元キャンプ場スタッフで登山歴15年の筆者が、山に潜む危険生物5つと、命を守るための対策を紹介する。
■危険生物1. クマ
クマは本来臆病な生き物。声を出しながら山を歩けば、鉢合わせの可能性はかなり減る。食べ物の匂いにつられて出てくることもあるので、食料は蓋つきの入れ物に入れてしっかりと密閉しよう。
クマは人間と距離が近くなると「ウー」と唸って威嚇する。筆者の知人はこの唸り声を聞いてすぐにその場を離れ、クマに遭わずに済んだそうだ。
もしクマに遭遇してしまったら、目をそらさずゆっくり後ずさりして距離を取ってほしい。また、クマは一度手にした物は自分の物と思う性質があるため、取られたものは絶対に取り返そうとしないこと。
■危険生物2. ハチ
ハチは黒色を狙って攻撃してくるため、山では帽子をかぶり、黒い服装を避けよう。甘い匂いもハチを呼び寄せるので、甘い飲み物の蓋は閉め、香りのある化粧品などは使わないようにしよう。
オオスズメバチは危険を感じるとカチカチという警戒音を出す。このような音がしたらそっとその場を離れてほしい。
ハチは攻撃すると刺してくるため、遭遇しても騒がず動かず、ハチが離れるのを待とう。筆者はキャンプ場で勤務中、背の高い草の中を歩いていて突然オオスズメバチに遭遇した。巣は見つけられなかったが、近づいてしまったのかもしれない。しゃがんでじっとしているとハチが離れていき、攻撃されずに済んだ。
アウトドアを楽しむときは、万が一ハチに刺されたときのために、ポイズンリムーバーを準備しておこう。
■危険生物3. 毒ヘビ
ヘビもクマ同様、臆病な生き物。普段は草むらやしげみの中に隠れており、こちらから攻撃しなければ襲ってくる可能性は低いはず。
ヘビは水辺を好む種類が多いため、湿った場所ではヘビを踏まないよう、地面をするすると動く音がしないか注意しながら進もう。
万が一毒ヘビに噛まれたら、ポイズンリムーバーで毒を吸い出し、傷口を清潔な水でよく洗って消毒し、傷口を心臓よりも低い位置にして早急に医療機関を受診しよう。