■危険生物4. 毛虫

 毛虫の中でも、とくに注意が必要なのがチャドクガとイラガ。チャドクガはツバキ科の植物に発生する、強い毒を持つ毛虫。イラガは触るとビリッとした痛みを伴う。

 山の中では長袖長ズボンを着用し、なるべく肌の露出を少なくすると被害を防げる可能性が高くなる。

 筆者は、屋外にあったコップに付いていたイラガに気づかず、握ってしまったことがある。すぐに粘着テープを毛虫に触れた場所に数回貼ってはがし、皮膚に残った毛を除去。かぶれずに済んだ。

■危険生物5. ヒル

 ヒルに噛まれても命の危険はないが、ヒルが出す物質(血が固まらなくなる成分と麻酔成分)の影響で、噛まれても気づかないので厄介だ。ヒルも露出の少ない服装で山に入ることで、被害を防げる可能性が高まる。

 ヒルに噛まれているのに気づいたとき、慌てて引っ張ってしまうと口だけちぎれて皮膚に残ってしまう。嚙まれたら塩をかけてヒルを落とし、ポイズンリムーバーで毒を吸い出す。その後、清潔な水で洗い、血が止まるまで絆創膏などで保護しておこう。

 筆者は登山中、気づいたら足首が血だらけになっており、確認するとヒルが付いていた。塩でヒルを落としたが、その後1週間ほど痛痒かった。掻くと悪化するので、かゆみ止めの軟膏を塗って触らないようにしよう。

■万全の対策で山でのアウトドアを楽しもう

山で危険生物から命を守る3つのアイテム(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 山は元々野生動物のすみか。人間がおじゃましているという意識を忘れず、万全の対策をしてアウトドアにでかけてほしい。

●ドクターヘッセル インセクトポイズンリムーバー

毒を素早く体の外に出すために必要なポイズンリムーバー(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

価格/1320円(税込)
カラー/白

 比較的安価ながら、傷口に合わせてマウスピースの大きさを変えられるので、使い勝手がよい。パーツも少なくかさばらず、救急セットの中に入れて持ち歩きやすい、最低限の機能をもったポイズンリムーバーと言える。

●ハイマウント カウベルM 消音ケース付き

自分の存在を動物に知らせるために必要なベル(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

価格/【S】1210円(税込) 【M】1320円(税込) 【L】1540円(税込)
カラー/ベルト部分はアソートカラー

 消音ケース付きで、使用しないときは静かに持ち運べる。穏やかな山の雰囲気を邪魔しない優しい音でありながら、遠くまでよく聞こえるので安心だ。

 ポイズンリムーバーも熊鈴もかさばらないので、山の中では万が一に備えて持ち歩くようにしよう。

 大自然の中では、いつどんな生物に遭遇するか予測はできない。正しい知識と可能な限りの準備を整え、これからのアウトドアシーズンを楽しもう。