滋賀県の琵琶湖上には神様が棲む「竹生島(ちくぶしま)」があります。国宝や重要文化財とともに織田信長や豊臣秀吉ともゆかりのあるパワースポットです。島では願い事が叶うかどうか運試しとなる「かわらけ投げ」や参道には滋賀県ならではの食べ物もあります。ご利益がありそうな運気アップの旅へ。さっそくフェリーに乗り込んでみましょう!
■琵琶湖に浮かぶ無人島は神が棲むパワースポット
琵琶湖に浮かぶ2番目に大きな島、竹生島は神様が棲む島と言われる古い歴史があります。奈良時代に聖武天皇の勅命を受けて僧「行基」が四天王像を安置したのが竹生島信仰の始まりとされています。島の周囲は2km。島全体が1枚岩の花崗岩から成る断崖絶壁であり、島の南側にある港からのみ上陸できます。今津・長浜・彦根からフェリーが発着しており、今回は彦根港からアクセスしました。
港に降りて30mほどの参道を進んだ受付所で拝観料600円を納めて参拝できます(現金のみ)。祈りの階段165段を登り切ったところにあるのが宝厳寺の本堂(弁才天堂)です。江ノ島神社・宮島の厳島神社と並ぶ「日本三弁才天」のひとつで、その中で最も古くに建立されたため大弁才天と祀られています。堂内では「願いダルマ」と呼ばれる願掛け奉納ができます。
国宝の「唐門」と重要文化財の「観音堂」「舟廊下」は檜皮屋根の全面葺き替え、彩色・漆塗りの塗り直しなどの修復作業が、2020年5月に完了しました。色鮮やかな様子にカメラを向ける方が多く見られました。
国宝の唐門は大坂城極楽橋の現存する唯一の遺構です。観音堂と都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)本殿をつなぐ舟廊下は全長30mで、豊臣秀吉の「日本丸」の一部が使われています。琵琶湖の小さな島に歴史価値の高い建物が詰まっていてなんだか緊張しました。
■願いが叶うか運試し! 竜神拝所で「かわらけ投げ」
舟廊下を歩くと辿り着くのが国宝の都久夫須麻神社の本殿です。豊臣秀吉が寄進した伏見桃山城の束力使殿を移転したもので、内部は桃山時代を代表する煌びやかな装飾が施されているそうですが、残念ながら非公開のため見ることはできません。
神社の向かいには龍神様が鎮座する竜神拝所があり、「かわらけ投げ」に挑戦できます。かわらけ投げとは、厄除けなどの願いをかけて、高い場所から円盤状の土器の皿を投げるという古くから伝わる願掛けの一種です。
竜神拝所での作法は5点です。
1. まず、都久夫須麻神社の本殿を参拝。
2. 参拝後、2枚セットになったかわらけを購入。
3. かわらけの1枚に自分の名前を、2枚目に願い事を記入。
4. 琵琶湖に突き出たところに建っている鳥居に向かってかわらけを投げる。
5. 投げたかわらけが鳥居をくぐれば願い事が成就する。
準備を整え、いざいかん! と意気込んでみますが、思ったよりも鳥居が遠く私は届きませんでした。思い切って投げてみるも、2つとも鳥居の手前の手前に着地しました。そして、よく見ると鳥居の手前が白いのは全てかわらけだと気づきます。「願い事はそんな簡単には叶わないよ。努力しなさい」と龍神様に言われているようで、なかなか厳しいですね。
■竹生島名物を食べてさらに運気アップ!
パワースポットや神社などに参拝する際は、その土地の気を吸収するという意味でも特産品を食べると良いと言われています。竹生島にも短い参道があり、2軒のお土産屋さんがあります。昔ながらの「野坂みやげ店」で滋賀おでん(3品セット税込450円)を購入しました。店内で食事ができます。赤こんにゃく、丁字麩、伊吹たまごと滋賀県の食材を味わうことができました。目を引く赤こんにゃくは近江八幡の名物で二酸化鉄という鉄分が赤い理由です。煮ても脱色せず、健康にも優れているそうです。起源としては華やかなものを好んでいた織田信長が赤く染めさせたなどの諸説があります。癖はなく、付属の柚子味噌がよく合いました。丁字麩も伊吹たまごもよく出汁がしみていて、パクッと食べられてしまいました。
さらに船内のお供と家族へのお土産にミルク饅頭の「ねがいだるま」(税込150円)を購入。宝厳寺の弁天様の幸せねがいダルマをモチーフにしていて、なんだかご利益がありそうな気がします。
島内はおおよそ60分ほどで回れます。急な階段もあるので歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。小さな島ながら見応えを感じました。日本一大きな湖に浮かぶ歴史ある島に、運気アップに訪れてはいかがでしょうか。