■4.荒涼とした景色の中で一際輝く「チーメ・ビアンケの湖群/ Cime Bianche Laghi」

 最後にご紹介する絶景スポットは、ロープウェイの中間駅・標高2,812mのチーメ・ビアンケから高地トレッキングで巡る湖群。

 チェルヴィニアからロープウェイで2つ目のチーメ・ビアンケ(白い頂の意)まで昇り、そこから「アルタヴィア/ Alta via」と呼ばれる山岳コースを歩く。アルタヴィアとはヴァッレ・ダオスタ州を一周する山岳トレイルの総称で、全長330kmを制限時間以内150時間以内に走り抜ける山岳レースが行われることでも有名だ。

 マッターホルン、モンブラン、グラン・パラディーゾなど、4,000m級の山の間を区間で区切って歩けるようにコースが作られていて、チーメ・ビアンケの湖群はその中のTMR (ツール・モンテ・ローザ)のコース上にある。道幅は広く、アップダウンは緩やかでそれほど厳しいコースではない。初心者でも歩けるが、標高2,800m地点の高地なので身体に負担がかからないよう注意することを忘れてはならない。


ロープウェイ駅から山岳ルートへ足を踏み出す。スイス側から見ると鋭く切り立った山頂が特徴的なマッターホルンだが、イタリア側から見る姿はもう少し穏やかだ

   ロープウェイを降りて歩き始めると周囲の景色が一気に変わる。山の裾野を彩っていた草木の緑や花々のカラフルな色彩は、氷河の白と岩のグレーに取って代わる。時々足元に見えるミニチュアのような高山植物のピンクや緑を除けば、あたり一面は黒から白へのグラデーションの世界だ。まるで月面を歩いているかのような荒涼とした景色の中、砂利や万年雪を踏みしめながら歩いて行くと、目の前に突然眩しいほどに輝く小さなブルーの湖が出現する。


歩き始めるとすぐ、眼下に人工湖のゴイレット湖が見えてくる
歩を進めるにつれ、辺りの景色が荒涼としてくる

ヴァルトゥルナンシェからアルタヴィアを登ってきた人もたくさんいた。彼らはここからさらに高みを目指して行った

 さらに歩を進めると、その真下にもう一つ、さらに青く大きな湖「グランド・ラック/ Grand Lac」が現れる。周囲の荒涼とした景色と輝く青い湖の対比が素晴らしく、別世界にいるような気分が味わえる。


緩やかではあるが、高低差があるコースでは、一寸先の風景が全くわからない

道の際まで足を進めて初めて、目の前に素晴らしい2段の湖が見えた