ユネスコの世界自然遺産に登録されているドロミティは、標高3千メートル超の山々が18峰もあるヨーロッパ東アルプス山脈の一部。そのエリアは北イタリアのヴェネト、トレンティーノ・アルト・アディジェ、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアの3つの州にまたがり、面積は14万ヘクタール以上に及ぶ。
広大なドロミティ山塊は山岳スポーツのメッカでもあり、一年を通して雄大な大自然と触れ合える環境が整っている。長期間滞在して山から山へと渡り歩くことができたらさぞ素晴らしいだろうが、時間的にも体力的にもそんな余裕がないという人でもドロミティの大自然を満喫できるお手軽なスポットがある。ボルツァーノからバスで簡単にアクセスできて、大自然の絶景も楽しめるオススメのスポットをご紹介しよう。
■カレッツァ湖
ボルツァーノから行く日帰り絶景スポットとして、ドロミティの湖の中でも特に有名なカレッツァ湖(Lago di Carezza)がある。紺碧の湖面に背後にそびえるラテマール山の勇姿が映る湖は、「イタリアで最も美しい湖」とも言われている。ボルツァーノとトレントの県境に位置しているのでハイキングをしながらこの湖にたどり着けるルートがいくつもあるが、「歩くのは嫌!」という人でもバスで簡単にアクセスすることができる。
ボルツァーノのバスターミナルから毎時1本運行しているカレッツァ湖行きのバスに乗り、約50分で湖畔に到着。チケットは先日購入した3日間用のモバイルカードを利用した。このカード1枚でボルツァーノ近郊の目玉スポットを回れるのでとても便利だ。
カレッツァ湖のバス停に降り立つと、もう目の前にため息が出るような絶景が広がっていた。まだ雪が解け始めたばかりで湖水の量こそ少ないものの、紺碧の湖面に映る真っ白な雪山が眩しいほどに輝いている。「わぁっ!」と歓声を上げたのは私だけではなく、バスに同乗していた親子連れやお年寄りも皆同様に夢中でカメラのシャッターを切っていた。