登山シーズンが本格的に始まり、山小屋も冬季休業を終え、次々と営業が再開された。各山には個性豊かな山小屋があり、小屋で宿泊する「山小屋泊」登山が楽しめるのをご存じだろうか。
山小屋で宿泊するとテント泊に比べ荷物が少なく、かつ日帰り登山に比べ行動時間が増えるため、縦走や標高の高い登山に挑戦できる。
また、それぞれの山小屋の名物グルメが味わえるほか、夜に星空を眺める、他の登山者と山談義を交わせる、山の上から朝日を拝めるなど、さまざまな楽しみがある。
今回は登山歴7年の筆者が、そんな「山小屋泊」登山で必要な荷物を紹介する。今シーズンの山小屋泊登山デビューに向け参考にしてほしい。
■夏登山での山小屋泊の荷物【自炊するパターン】
山小屋で宿泊する場合、素泊まりか、朝夕の食事の有無、翌日のランチ用のお弁当の有無を選択し、予約する。夏であれば自炊しない場合は30L程度、自炊する場合は50L程度のザック容量が必要となる。ここでは自炊する場合の夏の山小屋泊の荷物を紹介する。
筆者は1日目の昼食と夕食を自炊し、2日目の朝食を山小屋で、昼食を下山後にレストランなどで食べる場合が多く、愛用の55Lのザックに荷物を詰めて登山に挑んでいる。
荷物が多くそこそこ嵩張るが、パッキングやコンプレッションを正しく行えば、そこまで重さは感じない。
筆者は山小屋にチェックインするまでに必要な自炊用の水や、水分補給用以外は持たないようにしている。ただし、水分が少ないと熱中症などのリスクが高まるため、道中の水を汲めるポイントを事前に調べて余裕を持って準備しておこう。
山小屋についたら、それ以降に必要な水を汲ませてもらうが、飲用可能な水を汲ませてもらえるのか確認しておこう。
余裕があれば愛用の一眼レフカメラを持って登山に挑んでいるが、最近はスマホカメラの性能もすばらしく、気力と体力に応じて持っていくかどうかを選択している。
続いて、各荷物の詳細を紹介していく。
1. 寝袋:通常の山小屋泊では使わないが、最近はコロナ対策で持参を求められることがあるので、準備は欠かさずにしておこう。
2. ファーストエイドキット:怪我の応急処置セットの他、遭難した時用のアルミシートや非常用ランプ、笛などが入っている。
3. 防寒具:夏場でも標高の高い山小屋では朝晩に冷え込むことが多いため、コンパクトに畳める上下のダウンを準備している。
4. 雨具:急な天候不良に備え、上下の登山用レインウェアを持参。防風効果もあるので道中の休憩時に着ることも多い。また、道がぬかるんでいると靴下がドロドロに汚れるのでゲイター(パンツと靴の上からかけるカバー)をジップロックに入れて準備している。
5. ミニシート:登山中、小休止などで地べたに座る際、ぬかるんでいたり草などが湿っていた場合に備えて準備しているが、なくても支障はない。
6. ライト:両手が使えるようヘッドライトを準備。事前に電池が入っていて光るかを確認している。