青麻山(あおそさん)は、知る人ぞ知る、ニリンソウの大群落が見られる山である。書籍では「春の花を訪ねる里山」のおすすめの一つとして紹介されているが、筆者は県内に住んでいながらも青麻山の存在を知らなかった。
筆者はこの書籍を読んだのをきっかけに、青麻山へ登ることにした。今回はその登山レポートとして、ニリンソウが咲き乱れるニリンソウロードや山頂から見る大展望など、見ごたえのある山行の様子をお伝えする。
■青麻山はどんな山?
青麻山は、蔵王連峰の東側に位置する、標高799mの里山だ。青麻山山頂の東側は展望が開けており、大河原町の街並みや太平洋が見渡せる。また、春にはニリンソウの大群落が見られたり、スミレやヤマブキソウが見られたりなど、野草のお花見も楽しめる。
■ニリンソウに囲まれる「青麻山」体験レポート
今回の山行は、下別当(げべっとう)登山口から青麻山を周回するコースを利用した。登山日は4月下旬、当日はよく晴れていた。
車を走らせ登山口に着くと、すぐ脇にはニリンソウやスミレが咲いているのが見えた。早くも見られたニリンソウに期待が高まる。
緩やかな登りを歩いていくと、フデリンドウやヤマブキなどの野草もちらほら見かけた。さらに足を進めて、目当てのニリンソウの群落地へ。
登山道の周り一帯にニリンソウが咲き乱れ、書籍で見た通りのニリンソウロードとなっていた。さらに、新緑や木漏れ日も相まって、美しい景色が広がっていた。その光景に筆者はなかなか足を進められず、写真を撮りまくっていた。
ニリンソウを観察していると、花びらの裏が桃色を帯びた個体や花びらが緑色に変異している個体が見られた。このように変異したニリンソウは稀にあるので、探しながら観察するのもおもしろい。
群落地を通り過ぎ山頂を目指して歩くと、急な登坂が続く。歩いている間にも、スミレやヤマツツジなどが登山道を彩っており、疲れていたが癒された。
登山口から約1時間20分、山頂へ到着。広々とした山頂では、東側から大河原の街並みや太平洋が見渡せる。快晴のおかげで、すばらしい景色を心ゆくまで楽しめた。
下りは別ルートの無線中継所側の登山口へ向けて歩く。こちら側も急登が続いており、滑らないよう気をつけて歩を進めた。無線中継所側でもニリンソウやスミレ、ヤマツツジが見られ、道中も花の尽きない山のようだった。無線中継所の登山口へついたら、ショートカットの道を通り、下別当登山口へと戻った。