■冷えても固まらない油?  冷しラーメン発祥のお店「栄屋本店」

 お次は冷しラーメンの発祥のお店「栄屋本店」へ。昭和7年創業で、山形駅から徒歩約20分の繁華街の通り沿いにあります。

冷しラーメン発祥のお店「栄屋本店」

 温かいラーメンもメニューにありますが、ここはもちろん「冷しラーメン」をチョイス。想像以上に大きなどんぶりで出てきました! スープに氷が3つ浮かんでいます。

「冷しラーメン」シリーズのメニュー
これが栄屋本店の冷しラーメン。手前に透明の氷が浮かんでいます

 まずはスープから。かつお出汁とお醤油の塩味がしっかり効いていて美味しい! 少し甘酸っぱい味がして、それは柑橘系のフルーツ果汁を足しているからのよう。牛だしスープに旨みの詰まった歯応えのあるチャーシュー、たっぷりのもやし、太めの中華麺は縮れていてスープがしっかり絡みます。そして麺はいわゆる普通のラーメンの1.5~2倍くらいあってボリューム満点。腹ペコの暑い日にぜひまた食べたいです! 

スープが冷たいのに油が固まらない不思議

 特筆すべきは冷たいのに固まらずサラサラとしているスープの油。この油が馴染んでコクになっています。この日の外気温は2℃でしたが、店内のお客さんも冷やしラーメンを頼んでいました。1年かけて完成させたというこだわりのスープは、牛肉を醤油で煮て一晩冷やし、固まった油を取り除いた後、鰹と昆布の出汁と植物油を入れているそう。1952年に完成してから変わらぬお味なのだそうです。

たくさんのサインが飾られた店内

●栄屋本店について

住所:〒990-0043 山形県山形市本町2丁目3-21
電話:023-623-0766
営業時間:11:30~19:30(4~9月)、11:30~18:30(10~3月)
定休日:水曜日

HP:https://sakaeyahonten.com/

■行列覚悟の人気店!「ケンチャンラーメン山形」

 ケンチャンラーメンとは山形県や近隣の県内に約10店舗展開しているラーメン店で、筆者が訪れたのは「ケンチャンラーメン山形」。山形駅から車で約10分の場所にあり、車はお店の前に停められます。土曜日の夕方に訪問したところ、少し列が出来ていて10分程度で入店。しかし、入店直後10名以上の行列が出来ていたので、土日は行列覚悟です。

ケンチャンラーメン山形

 注文は券売機で先に食券を購入できるのでスムーズ。麺が多いと聞いていたので、麺少なめで煮卵が付いている「れでぃすせっと」を注文しました。味の濃さや油の量を事前に選べます。画面右下に「身入り(無料)」という見慣れない言葉のボタンがありますが、これは豚の背脂です。無料ですしスープにコクが出るので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

券売機のメニュー選択画面

 お味は見た目以上に優しい。スープは、鳥取県の高品質の煮干をベースに最高級根昆布などを使い、コクがありクセになる味を目指して作っているというだけあって、しっかりとしたお出汁の味を感じます。自慢の手打ち極太麺がワシワシとしてスープが絡みます。

ケンチャンラーメン山形の中華そば

 店内は地元民と思われる若い男性やカップルから大人のお客さんで溢れています。スタッフは三角巾をしたおばちゃんばかりでなんだか癒される空間。感染を防ぐためのアクリル板にメッセージを見つけました。その内容は、土日の空いている時間帯やオープン時刻の少し前に開店した時に、来店したお客さんにがいれば煮卵などをサービスする「ヒマケンチャン」「フライングケンチャン」などについて書かれていました。待っている間もワクワクさせてくれるようなメッセージが面白いですね!

アクリル板に書かれた楽しいご案内

●ケンチャンラーメン山形について

住所:山形山形県山形市西田2-1-17
電話:023-647-0086
営業時間:平日11:00~14:00、土・日11:00~20:00 ※いずれも麺がなくなり次第終了。
定休日:毎週月曜日/毎月第1日曜日/毎月第3火曜日

HP:http://81sta.jp/