●ルート&見どころ
富士宮口の登山口はエリア最標高の2,400m(新五合目)。この時期、登山口まで続く富士山スカイラインは一般車両通行止めで、ここまでは麓の駐車場からバスやタクシーで到着。しばらく高度順化のためベースとなるレストハウスで準備を整えよう。
登山道は整備され、砂利道を迷うことなく進める。6合目、7合目、8合目と山小屋ごとに休憩を入れ、高度を上げていく。早朝出発であれば日帰りも可能だが、山小屋に泊まって御来光を臨み、頂上に立つのが人気のルート。
午後2~3時には山小屋着、出発は御来光をどこで拝むかに合わせてとなる。5合目の登り口から頂上まで木々はなく、晴れの日は厳しい直射日光にさらされるため、行動は午前中早めからが望ましい。登り始めると眼下には広大な裾野が広がり、遠く相模湾が見渡せる。
7合目を過ぎると勾配はきつくなり、8合目の診療所(夏季のみオープン)に到着。その先の鳥居をくぐりぬけ、9合、9合5勺とさらに登る。頂上部の鳥居をくぐると山頂だ。頂上部には浅間大社奥宮、郵便局、山小屋、トイレが設けられている。
●大砂走~御殿場口へ
頂上からさらに左手に20分ほど上がると剣ヶ峯(3,776m)に到着。ここが日本最標高となる。時間があれば、お鉢巡りという山頂外周を巡るのも面白い。所要時間は約1時間。山頂からは御殿場口登山道を下る。6合目付近からは大砂走り下山道へ。足が潜り込むほど細かな黒々とした火山礫の道を、走り落ちるように下るのが楽しい。スピードが出過ぎると、大転倒につながるので注意。大石茶屋を越えれば、標高1,440mの御殿場口新五合目まではすぐ。
●富士山の山小屋に泊まる
各登り口と合目に合わせて数多くの山小屋が設置されている。繁忙期は非常に込み合い、宿泊予約が取りづらいことも。また、高地にあることから軽い高山病により眠れないという人も多い。夕食はどこもおおむねカレー。最近はホームページから予約できるところがほとんど。標高の高い小屋では御来光を見るチャンスが高い。6合目あたりの低い山小屋に泊まり、夕食は好みのものを持参、睡眠障害に陥ることなく早朝出発、これはほぼ日帰り登山になるが、体には楽なプランだ。