■コーヒーではなく、あえて抹茶をいただく

 筆者は以前、「お茶をしてみたい」という友人に野外で抹茶を振る舞ったところ、「なんだか気持ちが引き締まり、風景やものの見方が変わった気がする」と言われたことがある。

 お茶会といっても、格式高いものではなく、いつもはコーヒーを楽しむ時間をお茶に変えただけ。すると、流し見する花をよく見てみようと思ったり、気にも留めていなかった風や水の流れる音に気が付いたり、アウトドアでの体験は濃厚なものに変化した。

友人の畑での野点の様子。屋外は開放的な気分になれる(撮影:坪井 千晶)

■これならできる! 簡単野点のすすめ

 お茶で大切なのは、「濃さ」と「ダマになっていない」こと。道具や作法にこだわらず、おいしいと感じることができれば、それでいいのだ。

 準備する物(代用品)は、

・お椀(なければシェラカップ等)
・茶せん
・お湯
・抹茶
・お気に入りの甘味

●手順① 抹茶を器に入れる

茶杓一杯の抹茶の目安(撮影:坪井 千晶)

 抹茶は、スーパーでも手軽に手に入る。量の目安は、茶杓に2杯。茶杓がない場合は、ティースプーンに2分の1杯ほど入れる。

抹茶の量の目安(撮影:坪井 千晶)

 抹茶は湿気に弱いので、保存する時は冷凍庫に入れ、持ち運びの際は密封できるタッパーを使うと便利だ。

抹茶を入れた保存用タッパー(撮影:坪井 千晶)

 余裕があれば、準備の時にふるいにかけておくとダマになりにくい。

抹茶をこす茶こし(撮影:坪井 千晶)

 器は、両手で包めるサイズのものであればなんでもよい。割れ物の扱いを不便に感じるのであれば、シェラカップでも構わない。その場合、火傷しやすいので取っ手のあるものを選ぼう。

●手順② お湯を注ぐ

お茶碗にお湯をお注ぐ(撮影:坪井 千晶)

 理想のお湯の温度は70〜80度。温度が高い場合は器が熱くなりすぎるだけだが、温度が低い場合うまく点てられないため、冷ましすぎないように注意しよう。

景色を楽しみながら、野点のためのお湯を沸かす(撮影:坪井 千晶)

 お湯を沸騰させ火からおろし、のんびり器と抹茶を用意しているとちょうどよい温度になる。手軽に楽しむ時は、冷ましすぎないことに気をつければ十分だ。湯を沸かす道具がなければ、魔法瓶にお湯を入れて持っていくとよいだろう。