■日本人女性に多い、パリ症候群(シンドローム) とは
「パリ症候群(シンドローム)って何?」「自分がなったらどうしよう」と思った方もいるだろう。症状が重くなるのは、短期旅行ではなく、長期滞在の場合。
世界的に見ても、日本人女性の被害が多く、パリについての知識が、映画などの理想に偏っている方がなりやすい。症状はうつ病に似ており、不眠・過食・落ち込み・被害妄想などさまざまだ。
パリ症候群だけでなく、都市での一人暮らし、華やかな業界への就職、国外への移住など、「理想と現実のギャップ」に耐えきれず、適応障害になる方も増加傾向にあるようだ。
「すてきな情報」だけに惑わされず、「マイナスイメージとなる情報」など、偏りのない情報収集が必要だろう。
■実は観光地ほど危ない、スリや詐欺
事前の情報収集で調べれば調べるほど「日本人を狙ったスリや詐欺が多い」ことがわかり、パリは「意外と危ない」と人一倍に注意を払った筆者だが、そのおかげで、訪れた際は一度もトラブルや犯罪に巻き込まれることはなかった。
エッフェル塔、ルーブル美術館、シャンゼリゼ通り、公共交通機関など、有名な観光地ほどスリや詐欺の被害は多い。
相手が大柄で怪しい男性なら、遠目からでも警戒ができるが、パリでは若い女性のグループ、子どもと母親・祖母などパターンはさまざま。固定概念に囚われず、常に警戒しておく必要があるのだ。
観光地ではどんなに人目があっても、知らない間に身の回りのものが盗まれるため、決して荷物から手を離してはいけない。どうしてもという時は、足の間に置いて挟むのがいいだろう。
筆者が厳守した対策は、以下の通り。ぜひ参考にしてほしい。
その1:手荷物・スマホを「どこでも」「決して」身体から離さない
その2:貴重品はウエストポーチに入れ、服の下に隠す
その3:できるだけ他人に近づかない・近づかせない
その4:スマホは首からかける。手で持ったり、ポケットに入れたりしない
■誰も教えてくれなかった、パリの落とし穴
パリで大事な用事がある場合は、当日ではなく2~3日前に到着するのがいいだろう。結婚式に出席するため、3日前に到着した筆者は、一晩ホテルで過ごした翌朝、「ものもらい」を患ってしまった。
翌日は大切な結婚式というのに、右目が腫れ、お岩さん状態に。原因は虫刺され。中庭があるホテルで窓を開けながら寝たせいであった。
当日、目の腫れは治まり、顔全体が少しむくんだ状態だった。眼帯をつけずに出席できただけでも御の字だ。
パリ在住のメイクアップアーティストに聞いてみると、初めてパリに来た方が初日でものもらいになるケースは意外と多いらしい。大切な用事でパリに行く場合、「夏場」で「庭があるホテル」の場合、窓を開けて寝るのはおすすめしない。