●概要
筑波山は筑波市の北端にある単独峰で山頂にある双峰、男体山(871m)と女体山(877m)から成る山の呼称。「西の富士、東の筑波」と称されるほどに美しい山容だが、百名山の中でもそれほど高くない標高のため、多くの観光客や登山客が訪れる。
古くから信仰の対象とされ、二つの山の頂には神社が備わっている。今ではアクセスの良さ、古き日本の伝統が詰まる場所として海外からの観光客も増えている。山麓からはロープウェイとケーブルカーが通っており、山頂のすぐ近くまで一気に登れる。ケーブルカー山麓駅付近には筑波山神社を中心とした門前街が広がり、観光客をもてなしてくれる。情緒あふれる街並を観光しながらケーブルカーに揺られる趣のある登山はここならではだ。
●ルート&見どころ
筑波山神社の脇からは登山道とケーブルカー宮脇駅に続く道が分かれている。登山道は整備が行き届いて森林浴を楽しみながら歩ける。所々にベンチも点在するのが嬉しいところ。ケーブルカーの線路脇を歩いていくので時折、登っていく車両が見えるのがなんとも羨ましい気持ちになってしまう。
登り終えればケーブルカー山頂駅のすぐ隣に出る。開けた台地には茶屋や、お土産屋が並ぶ充実ぶり。山頂駅にはレストランでもある「コマ展望台」が併設されており、360度パノラマが楽しめる。ここから西に5分行けば男体山、東に15分行けば女体山だ。せっかくなら二つの頂を踏みたい。まずは男体山とそこからつながる遊歩道をおよそ30分の周遊を楽しみ女体山へ。御幸ヶ原と女体山を繋ぐ山頂連絡路にはカエルの頭の形をした名物奇岩、「ガマ石」がある。筑波山からの象徴的な景色、関東平野を見下ろす眺めは女体山から楽しめる。帰りはケーブルカーを使って下山しよう。下山は少し急な坂が1時間続くので、膝への負担が大きいからだ。初級者には「足にくる」という人も居るので、体力を温存して下りたい。
●筑波山ロープウェイを利用
もう少し歩きたいという人はロープウェイを利用して、迎場コースを歩いてスタート地点へ戻ってくるというルートもある。こちらは標高差200mほどで30分程度の緩やかなハイキングを楽しめる。
●風情溢れる筑波山ケーブルカーに乗る
ケーブルカーは標高305mの宮脇駅と、800mの山頂駅を結び、20分間隔で運行している。車両は2台あり、赤色が「もみじ」、緑色が「わかば」。自然をイメージした車体カラーと名前だ。時速12kmで約8分間の乗車。ゆっくりと進むので、周囲の自然を楽しみながら乗れる。全長1643mで日本で3番目に長く、行程の3分の1を使って90度旋回するのが特徴。途中反対車両とすれ違う時のポイントの切り替えなど、細かく見れば見るほど、趣があり、大人でも楽しめる。