■金堂は約400年前に仁和寺から移築したものが現存する

約400年前に仁和寺から移築した高山寺の金堂(撮影:加藤和花)

 高山寺の境内の一番奥には、金堂がある。かつては本堂が建っていた場所だが、室町時代に火災で焼失し、江戸時代に仁和寺の古御堂を移築した。

 建物自体は年季が入っているように見えるが、周囲はきれいに掃除されており、冬のひんやりとした空気も相まって清廉な雰囲気が漂っていた。金堂をぐるりと取り囲む木々も立派である。

 写真では枯枝のように見える木も、春になれば新芽が出て、秋になると色鮮やかに紅葉する。高山寺の境内の木々が紅葉するのは、11月上旬頃から。一足早い京都の紅葉狩りとして訪れるのもよさそうだ。

■表参道と石水院にも行ってみよう

 金堂の境内からは、表参道へと続く階段が延びている。階段を下りて、表参道を通ってみよう。表参道は金堂の周囲の環境と同様、大木に囲まれている。

 自分が足元の砂利を踏む音以外は何も聞こえず、山林の中に1人ぽつんと残された気分だ。自然のマイナスイオンを浴びて、心なしか身体がすっきりしたようだった。

 表参道を奥まで進むと、国宝・石水院へと続く道がある。石水院は鎌倉時代の建物で、実際に中に入って見学することも可能だ。縁側で日光を浴び、木々のさざめきや遠くで水が流れる音を聞きながらぼんやりとするのは、非日常感があって特別な時間のように感じた。

■高山寺までのアクセスについて

雪が積もった日の高山寺の国宝・石水院(撮影:加藤和花)

 高山寺へは、路線バスを使ってアクセスできる。2023年2月13日時点で利用できるのは、京都市バスの8系統と、西日本JRバスの2種類だ。京都市バスは四条烏丸から出発しており、四条烏丸からの所用時間は約50分。西日本JRバスはJR京都駅から出発しており、JR京都駅からの所用時間は約55分である。

 特に西日本JRバスは、同じく世界遺産である仁和寺をはじめ、京都の人気観光地である龍安寺や北野天満宮の近くでも停車する。

 高山寺は「午前中は高山寺へ行き、午後から北野エリアを散策する」など、旅行プランにも組み込みやすいだろう。創建当初の修行の場の景色と雰囲気を、色濃く残す高山寺にぜひ訪れてみてほしい。

●高山寺(問合せ先:栂尾山 高山寺)

住所:京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
電話:075-861-4204

URL:https://kosanji.com/

※拝観時間、拝観料等はホームページよりご確認ください