出雲大社といえば、日本有数のパワースポットとして知られており、縁結びの神様や大きなしめ縄を思い浮かべる人も多いだろう。
しかし、最近ウサギの石像が人気なのはご存じだろうか。とてもかわいらしく、Instagramに写真をアップする人が続出の出雲大社のウサギの石像について、詳しく紹介しよう。
■実はウサギの石像がいっぱいの出雲大社
出雲大社のホームページによると、2023年2月9日現在で66羽のウサギの石像があるそうだ。66羽すべてを探し出すのは大変だが、参詣していると、自然に目に入ってくるぐらい、境内のあちらこちらで見られる。
仕草や表情などそれぞれ異なり、しかも、どれも愛らしい。ついつい写真を撮りたくなってしまい、立ち止まってばかりで、なかなか歩みが進まないのが辛いほど。
また、境内にはハートを持ったウサギの石像が数羽あり、その写真を待ち受けにすると縁結びの幸運を自分で招き入れることができるという噂も、SNS上ではささやかれている。
■出雲大社にウサギの石像が多い理由
出雲大社は、大国主大神(おおくにのぬしおおかみ)をお祭りしている。大国主大神は縁結びの神様として有名であるが、因幡(いなば)の白ウサギを助けた、心優しい神様でもある。出雲大社の境内に「ムスビの御神像」「御慈愛の御神像」といった大国主大神の像があるのはそれが理由だ。
「因幡の白ウサギ」は、大国主大神とその兄たちが出雲から因幡に行く途中の神話。
ワニたちをだました仕返しに、皮をむかれて泣いていた白ウサギを見た大国主大神の兄たちが、「海水を浴びて、風に当たるとよい。」と 白ウサギに噓を教えた。
何も知らない白ウサギは、言われたとおりにしたところ、前より傷がひどくなってしまった。そこに遅れて通りかかった大国主大神が、「かわいそうに。すぐに真水で洗い、がまの花をつんできて、その上に寝転ぶといい。」と教えた。
ウサギは言われたとおりにすると、毛が生え始め、もとの白ウサギに戻ったという話だ。
「御慈愛の御神像」は、「因幡の白ウサギ」の神話の場面を表した青銅の像で、大国主大神が因幡の白ウサギにやさしく語りかけている。
大国主大神とウサギにはこのような縁があり、出雲大社とウサギの結びつきは深いのである。