■低山その3 <能岳・八重山> 浅春の花さく里山へ

ハイキングコース途中の牛倉神社(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 能岳・八重山は、山梨県上野原市街を北側から見守る位置にある。標高は最高峰の能岳(のうだけ)が543mで、こぢんまりした、まさに里山という雰囲気だ。

 一般的にあまり知られている山ではなく、ガイド本等でも情報は乏しいため、上野原市で整備しているハイキングコースを歩くのがおすすめだ。上野原駅を出発し、市街をそぞろ歩き気分で旧家や神社の脇を抜けて行くのが楽しい。

 20分ほどで山道となり300〜400mほどの低いピーク2つをミニ縦走して、その先の八重山の登山道へ。山頂一帯は”五感の森”として整備され、3月から4月頃であればウメ、シュンラン、ツツジ、サクラなど季節の花々が目に楽しい。

 標高は低いが、富士山や丹沢などの山岳パノラマも侮れない。

筆者が行った某年2月下旬は梅に出会えた(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

●ささやかな里山に囲まれた幸福感

 その先の能岳は、眺望があまりないため、お弁当は八重山で食べるのがおすすめ。ささやかな里山に囲まれたじんわりとした幸福感をぜひ、味わっていただきたい。

里山の風情に身をおくだけで心も和む(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

●帰りはバスで駅まで、近くに温泉も

 登山開始から約3時間で新井バス停に下山でき、そこからバスに乗車し、15分で上野原駅へ。駅から無料送迎バスで20分の秋山温泉にも寄っていきたいところだ。

参考/発見うえのはら(上野原市観光協会) http://www.hakken-uenohara.jp/entry.html?id=109888

 早春の足慣らしにピッタシな低山三座、いかがだっただろうか。どの山も初級者向きで、アクセスもよく、春の魅力に溢れ、これからの時期におすすめだ。いずれかの一座を選んで、安全なシーズンの幕開けとしていただければ幸いだ。