3月に入りスキーシーズンもいよいよ終盤戦、春スキーの季節ですね。今シーズンのスキー場は、コロナ禍以前に話題になっていたインバウンドの賑わいも戻ってきました。もう一つ、最近のゲレンデシーンの変化にお気づきでしょうか?

■今どきのスキー場はヘルメット着用が常識!?

志賀高原 焼額山スキー場の第一ゴンドラを降りたところ。外国人も日本人もほとんどヘルメットを着用していました

 しばらくスキー場へ足を運んでいなかった人は、ちょっとビックリするかもしれませんが、最近のスキー場では普通のコースでも(滑走用)ヘルメットの着用が当たり前になってきています。かなり前から海外のスキー場では常識だったのですが、日本でも(義務ではないのですが)ヘルメットの着用を推奨しているスキー場が多いです。

 実際、自己責任という概念が定着している欧米からのゲストたちは、そのほとんどがヘルメットをかぶっています。日本人でも自分の身を自分で守る安全意識の高い人は、とっくに着用しているようです。ひと昔前なら、ポールバーンやパークなどでの着用のみでしたが、今はごく普通のコースでもヘルメットで滑っている人が増えました。

 他のアウトドアアクティビティ、クライミングやMTBの世界でも常識になっていますね。(古い話ですが)昔はオートバイの運転にヘルメットの着用義務はなかったのですが、今やノーヘルで運転することは(例え法律違反ではなくても)考えられませんよね。

 スピードレンジの高い上級者、転倒時の衝撃は当然大きいです。初心者は自分でスピードコントロールできない場合はもちろん、他のスキーヤーやスノーボーダーに突っ込まれる事故も多いです。

※取材撮影をしていたときも、(コース脇のビュースポットで)スマホで景色を撮影をしていた人が、滑走してきた人に衝突されている現場を目撃しました。

■安全第一! 進化し続ける軽くて高機能なヘルメットたち

自分の身は自分で守る意識。ついでに防寒アイテムとしても優れています

 “重くてダサい”イメージももう古いです。滑走用ヘルメットは素材や構造も年々進化し続けています。強度を保ったまま、かなり軽量になりました。国際的な安全基準も設けられ、内部に「MIPS」という名称の“多方向衝撃保護システム”を搭載しているモデルも各メーカーから発売されています。

 筆者はスキーの撮影も長く職業にしていますが、滑ったり止まったりを繰り返しながら撮影するとき、ニット帽だとファインダーを覗くために額部分に上げている間に曇ってしまっていたのですが、ヘルメットにしたおかげでその心配が減りました。さらに最近では、バイザータイプのゴーグル一体型モデルも増えているので、そちらも気になります。

 一般的なスキー滑走用のヘルメットにはイヤーパッド(耳当て)が付いているものが多いです。これが防寒性を高めてくれ、冷え込んだ朝イチや天候が悪い時は特に重宝しています。