「天空の城」といえば兵庫県の竹田城が有名だが、最近は福井県の越前大野城(えちぜんおおのじょう)も注目を浴びている。
約20分の山歩きとなり、時期によっては積雪があるので気軽に行けるスポットではないが、絶景を求めて毎週のように通うカメラマンもいるぐらいだ。早朝に越前大野城を撮影し、下山後には3月までの季節限定「春を彩る越前おおの ひな祭り」も楽しめるので、併せて紹介したい。
■越前の小京都、大野市
福井県と岐阜県の県境に位置する大野市は、かつての城下町の面影を強く残し、越前の小京都として知られる。戦国武将・朝倉義景(あさくらよしかげ)終焉の地でもある。
日本百名山「荒島岳」(あらしまだけ)や、ブナの新緑が美しい「経ヶ岳」(きょうがたけ)、紅葉の名所「刈込池」(かりこみいけ)など、登山スポットも多い。
この大野市のシンボルが「越前大野城」だ。天正8年(1580年)、織田信長の家臣・金森長近(かなもりながちか)によって築城された。
公共駐車場のある「越前おおの結ステーション」のすぐ側にある「亀山公園」内に城があり、歩いて約20分で天守閣だ。大野市街を一望できる。
■この時期だけ姿を現す「天空の城」
大野市は盆地で、10月から4月末にかけて低い雲と霧が発生しやすくなる。前日の湿度が高いこと、前日の日中と翌日朝方の気温差が大きいこと、風が弱いことなどの条件が揃ったとき、天守閣が雲海に浮かぶ「天空の城 大野城」を見ることができる。
この「天空の大野城」の撮影スポットが、越前大野城の西約1km「犬山」にある。
福井方面から国道158号線を東に走り、越前大野城の手前「犬山」交差点で右折、トンネルを抜けて右側にあるホームセンター・ショッピングセンターに車を停め、20分ほど歩くと展望台がある。(「越前大野城」のホームページに、展望台までの道のりが掲載されている。)大野市は豪雪地帯なので、時期によっては雪山を歩く装備が必要だ。
「天空の大野城」を見ることができるのは明け方から朝9時ごろまで。刻々と表情を変えるので、シャッターチャンスを何時間も待つ人も少なくない。