六甲連山に絶景とウワサされる場所がある。その名も「行者山東観峰(ぎょうじやまとうかんぼう)」。山頂より眺望がよいらしく、ちょっと気になる場所だ。

 行者山東観峰は、行者山(標高415m)の尾根にある。この行者山は六甲連山東端に位置し、標高383mの行者山東観峰は山頂よりさらに東にある。そのため前をさえぎる山がまったくない。絶景がかなり期待できそうだ。地図で見る限りは、登山口からもそう遠くない。さっそく行者山東観峰を訪れてみた。

■遠くから期待感を煽ってくる行者山東観峰

 行者山東観峰への最寄りの登山口は3つある。「光ガ丘口」「北逆瀬台口」「西逆瀬台口」だ。今回は光ガ丘口から登ることにした。

行者山ハイキングコース光ガ丘口(撮影:野口宣存)
行者山ハイキングコース光ガ丘口にある小さな沢(撮影:野口宣存)

 登山口にある小さな沢を越えると、すぐに堰堤(えんてい)が現れる。堰堤とは小規模のダムだ。ただ水を溜めるためではなく、主に土砂災害を防ぐために造られる。

 堰堤の手前には、地図付きのわかりやすい道標があり、迷う心配はない。

行者山ハイキングコース光ガ丘口付近の堰堤前分岐の道標(撮影:野口宣存)

 登山道は一気に尾根まで上がる道なので、やや急な登りが続く。そして尾根まで登りきると、行者山山頂方面と行者山東観峰への分岐が現れる。ここでもわかりやすい道標があるので迷うことはないだろう。

行者山方面と行者山東観峰方面の分岐の道標(撮影:野口宣存)
行者山東観峰付近から六甲連山を見渡す(撮影:野口宣存)

 行者山東観峰方面へ尾根道を少し歩くと、砦のような岩山が見えてくる。あの岩山の上に行けば、絶景が拝めるであろうことは容易に想像がつく山容。行者山東観峰だ。

行者山東観峰は浮砂が多い岩山なので転倒に気を付けよう(撮影:野口宣存)

 行者山東観峰に近づけば近づくほど登りは急になり、視界をさえぎる木々がどんどん少なくなっていく。登りながら後ろを振り返れば、六甲連山と大阪湾が見下ろせる絶景。行者山東観峰からの眺望への期待が高まる。

足元から広がる行者山東観峰から見る大阪平野の眺望(撮影:野口宣存)
行者山東観峰から真下に見下ろす宝塚歌劇(撮影:野口宣存)

 そして岩場を登り切ったと同時に、突然パッと足元から広がる大阪平野の大パノラマが出現する。期待を大きく超えた景色に、カメラのシャッターが止まらなかった。

行者山東観峰(撮影:野口宣存)