車中泊が気になる。ここ数年のキャンプブームの中に後追いで注目されるようになってきた車中泊。

 室内空間が広いキャンピングカーやミニバンで車中泊ができるのは当たり前なため、今回はハッチバックタイプの車でも可能なのか試してみた。

 検証場所は最寄りの河川敷にある無料キャンプ場。ソロキャン、グルキャンなど様々なスタイルのキャンプで盛り上がっている傍らで実証した。

■平成23年式ホンダ フィットハイブリッド

平成23年度式ホンダ フィットハイブリッド(撮影:中村真吾)

 今回、車中泊に使うのは平成23年式のホンダ フィットハイブリッド。

 これを聞くと、「1300ccクラスのハッチバックタイプの車で車中泊なんかできるの?」「エコノミー症候群などは大丈夫?」「寒さ対策は?」など様々な声が聞こえてきそうだ。

 実はフィットは5ナンバーサイズの割に室内が広い。そのためロングドライブも快適なうえにラゲッジスペースも本当に広い。普段はここにキャンプ道具を載せてキャンプに行っている。

●ラゲッジスペースの実寸確認

後部座席を倒した時のラゲッジスペース(撮影:中村真吾)

 フィットハイブリッドの説明書図面で寸法を確認しても十分に車中泊が出来ることが分かるが、撮影時には実際に採寸を行った(図)。

 結論から言うと、身長170cm程度までならラゲッジスペースで縦になって寝ることが可能だ。横幅の最も狭い箇所でも102cmあるので、寝返りを打つことができるだろう。

 この空間を、普段テント内で使っているキャンプ道具で快適な車中泊ができるようにアレンジしていく。

●足元の段差を解消する

ダイソーで購入した折りたたみ椅子をセット(撮影:中村真吾)

 車の助手席の後ろ側に頭を置いて寝る予定にしているので、まずは座席の間の段差をなくしたい。

 そのために以前、100円ショップで購入していた折りたたみ椅子(200円)をセットした。これだけだと高さが全然足りていないので、順次この上にマットなどを重ねていく。

ジャバラマットがジャストフィット(撮影:中村真吾)

 折りたたんだままの状態のジャバラマットを折りたたみ椅子の上にセットした。

 横幅も後部座席足置きスペースと同寸の59cmでジャストフィット。沈むこともなく安心だ。

 また、ジャバラマットと床との間にある段差はインナーマットを敷くので問題ない。何より枕を置くことを考えると、少し高いぐらいが丁度いい。

●床の段差の解消と底冷対策

厚手のキャンプマットを敷く(撮影:中村真吾)

 次に、インナーマットを敷いていく。

 このマットは子どもが小学生の時にファミリータイプのドームテント内で使用していたもの。最近は使わなくなり、納戸に眠っていたものを持ってきた。

 厚手な上に防水加工もされているので、下からの冷気をシャットアウトできる。プラスで床の段差も気にならなくなった。ただ、ファミリー用の大きいサイズなので折り込みながら均等になるように敷いていく。

●敷布団代わりにインフレーターマットを置く

布地のマットの上にインフレーターマットを敷く(撮影:中村真吾)

 その上に布地のキャンプマットを敷く。これで十分底冷え対策にはなっているが、更に敷布団代わりにインフレーターマットを置いた。もうフカフカだ。

 早く横になりたい気持ちを抑えながら最終仕上げにかかる。

●最終仕上げ

シュラフとテーブルを入れて車中泊仕様の出来上がり(撮影:中村真吾)

 インフレーターマットの上に、シュラフを敷く。

 さらに冷え込んだ時はシュラフインシュラフで乗り切ろうと思い、もう一つ準備した。最後にテーブルを置いた。後は好きなモノを入れて車中泊仕様の完成だ。

 抑えていた気持ちを開放して早速、横になってみた。足もしっかり伸ばすことができ、寝返りも十分に打てるので、エコノミー症候群のことは心配もなさそう。

 日中、ポカポカ陽気だったこともあり、フッカフカで暖かく本当に心地よい。しばらく横になり、リアゲートを上げて車内からキャンプ場の景色をしばらく堪能した。